アルスの主任司祭 聖ビアンネ

 

1786年5月8日、フランスの農家の家族に生まれる。
聖人は学びに遅かったが、教区司祭が彼の神学校入学を手伝い、長年の猛勉強の後に司祭となった。
聖人はアルスの小教区におかれ、人々は彼の教会に行かなかったので、聖人は人々の家を訪ね歩いた。

聖人は殆ど食事をとらず、貧しき者の中でも最も貧しい者のように働き、己に鞭を打つなどの償いの苦行を行い、御聖体の御前に何時間も祈る事、聖人はそれを「天主に霊魂を得させる方法」と言ったが、それを行い、また悪魔によってしばしば苦しめられた。

数千人もの者達が聖人の説教を聞いて己の罪を悔い、また聖人はしばしば聴罪に1日18時間を費やした。

聖人はアルスの主任司祭として40年間を過ごし、1859年8月4日、73歳で帰天。

1905年1月8日、教皇聖ピオ10世によって列福。
1925年5月31日、教皇ピオ11世によって列福。

祝日8月4日。

 

 

「ああ、天主の御心に対する、善なる煉獄の霊魂の力のいかに偉大なるかが知られしならば、また彼らのとりなしによりて我らの得らるる全ての恵みを知るならば、彼らがかくの如く忘却さるる事はなかったであろう。
従って、我らは彼らのために多く祈るべきであり、かくして彼らは我らのために多く祈るのである。」

 

 

<聖人と悪魔の来訪>

「悪魔の夜間の来訪の多くは通常、罪人が公教会の秘跡に戻る事を熱く望む時である。

これは、主任司祭を通じて新しい生活への数多の呼びかけの改悛の時を通じ、悪魔が怒り狂うのである。」

 

幾人かの司祭は、司祭館の所で、ある晩に主任司祭の部屋から来る奇妙な騒音を聞いた。
彼らが尋ねたところ、聖人の答えは簡単で、『それは悪魔で、善徳に対して怒り狂っているという事で完結している。』

するとある司祭は『それは全て頭の中の事ですよ。』と答えた。

翌晩司祭館の外側が荒されたので、その司祭は寝所より飛び出て、司祭らは慌てふためいた。
そして主任司祭の部屋に戦いにつづき、司祭らは主任司祭が悪魔を殺したのだと確信した。

彼らが部屋に突入すると、主任司祭は寝息を立てていたが、ベッドは部屋の中央に引きずり出されていた。

司祭らは主任司祭を起こして尋ねた。
すると主任司祭は詫びて、『悪魔がベッドを引っ張り出したのだ。
すまなかった、私はあなた方に警告しておくべきであった。
しかしこれは善き兆しでもある。
明日我々は大魚を得る事が出来るであろう。』

その翌晩、ドアをノックする音が聞こえた。
それは長らく秘跡を受け取っていなかった小説家のモンシェール・デス・ムルスが告解に来たノックであった。

 

「私はあなたが世とその悦楽に仕えるよりも、十字架に従う方が苦しみが少ないと教える。」

 

 

 

<祈り>

「聖ヨハネ・ヴィアンネのうちに全能にして仁慈なる天主、御身は田園生活のうちに熱誠に並外れし司祭を我らに与え給えば、彼の御とりなしによりて、キリストのために他の者を得させ、共に永遠の栄光に至らんことを助け給え。」

 

<祈りU>

「アルスの聖人的司祭にして、霊魂のよろづの仕えにおけし輝かしき模範よ。
御身はさほど輝くものにあらずと見なされど、御身は聖人らの英知をば有し給いたり。
御身はまことの司牧者にして、御身の聴罪には数限りなき改悛者が流れ、御身は天主と彼の者らとの間に橋を築き給いたり。

天主と、我らの時代における彼の者らとの間の仲介に身を献ずるよう、全司祭を鼓舞し給え。 アーメン。」

 

<汝はどこへ行くか>

「ああ、誰か触れられぬか。
天主は一つの霊魂が失われる事に数多の御涙をもって、絶え間なく泣かれるのである。

わが友よ、わが友よ、なぜあなたの天主と霊魂を失うように進むのであろうか?
止まれ!止まれ!ああ!
わが涙を、今も流れし御血を見よ。
私はあなたの救霊のために、再び死なねばならぬだろうか?
ああ!天つ御国より天使らは地上に下りて、この霊魂の喪失のために私と共に泣くのである!
ああ!天主が絶えず御声を聴かせ給うにも関わらず、かの深き淵の方へと走り通すならば、キリスト信者はまことに災いである。

しかし、あなたは私に、誰もこのような事などは言わぬ、と言ってよい。
ああ、わが友よ、あなたの耳を塞ごうとせぬ限り、あなたは絶え間なく続く天主の御声を聞くのである。

わが友よ、語れ。
罪の只中においてあなたを圧する良心の呵責は何であろうか?
なぜ不安と嵐があなたを煽るのだろうか?
いつも天つ御国のいかずちによりて砕かれるように思われる、なぜこの恐れが、この失望が、あなたのうちにあるだろうか?
幾度でも、あなたが罪を犯す時でさえ、見えざる手の一触があなたを圧するを経験せぬであろうか、あたかも誰かが語りかけしが如く、
「不幸せなる者よ、何をしているのだろうか?
不幸せなる者よ、汝はどこに行くのであろうか?
ああ、わが子よ、なにゆえ己を呪う事を望むか……。」

天主の御声に耳を傾けざる者か、もしくは彼の御恵みによりて益されざるかで、数多の御恵みを軽んじ侮りしキリスト信者が、放棄と拒絶に値せし事に、あなたは私に同意されぬであろうか?

親愛なる同胞よ、それどころか、彼に二度目の死を据えんとす事を望む、この忘恩の霊魂によりて、天主御自らが嘲りを受くるのである。
よろずの被造物はあだ討ちを求める。
実にこの霊魂の救霊を願い、それを損ない得る全てに対し反対し給うのは、唯一天主のみである。

彼はあたかもそれが世のただ一つの霊魂であるが如くに、その霊魂の救霊を見張り給うのである。」

 

 

 

<祈りV>

「聖ヨハネ・ヴィアンネ、愛すべきアルスの主任司祭よ、
御身を祈りと償いの輝ける模範となし給い、霊魂に対する熱誠に費やし給いしイエズスに、燃ゆる愛の霊を我らに送り給うよう願い給え。

司祭のためには、霊魂に対する慈悲に費やされるの共有を得させ給え。
我らには、全てのキリストゆえの兄弟的霊魂と、彼らを終わりなき栄光に至らしむるを得しめ給え。アーメン。」

 

 

<聖ヴィアンネのチャプレット>

このチャプレットは、十字架の御像と、五個の小珠、聖ヴィアンネのメダイ、そして一連が五個の小珠よりなる、三連によって構成されています。
もし専用のチャプレットをお持ちでなければ、一般のロザリオを数を調整されながら用いられて、構わないと思います。

このロザリオは、2009年6月19日から、2010年6月19日までの「司祭年」の間、イエズスの聖心に光栄を帰し奉り、司祭らが生涯の間に、聖性と純潔のうちに保たれる意向を持って祈るならば、免償が与えられます。


まず始めに、(中央の聖ヴィアンネのメダイで)
「司祭のための祈り」を行います。

 

<司祭のための祈り>

「愛する主よ、我らは祝せられた御母に、御外套で御身の司祭らを包み、御とりなしによりて彼らの聖職を強め給わんことを、祈り奉る。

我らは、「この御者の汝らに告げしは、何事なれども為したまえ」の御自らの御言葉に従い給い、マリアが御身の司祭らを導き給わんことを祈るものなり。

御身の司祭らが、マリアのいと清浄なる浄配、聖ヨゼフの心を持たんことを。

祝せられた御母の御自らの貫かれし御心が、十字架の御足元にて苦しみし全ての者の抱擁のため、彼らを鼓舞し給わんことを。

御身の司祭らを聖ならしめ、御身の愛の火もて彼らを満たし、何ものを求めず、ただ御身の更なる栄光と、霊魂の救霊(たすかり)を求めしめ給え。アーメン。
聖ヨハネ・ヴィアンネ、我らのために祈り給え。」




続く環状部分の、五つの小珠で
「主祷文」、続く五つの小珠で「天使祝詞」、続く五つの小珠で「栄唱」を唱えます。

 

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