聖カミロ・レリス司祭

イタリアのナポリに生まれる。天主が最初に聖人に語られたのは7月18日であった。
また最初の主の御声は悲しみの鋭き剣であった。

16世紀、18歳の時に若く荒々しい軍人であった聖人は、トルコ軍との戦いのためにイタリア中を回る間、飲酒と喧嘩と賭博が習慣であった。

 

ある日軍人である父親との旅行中、史跡の道を歩いていた。

「この道は私にとって新しい道筋です。御父様、休憩のために止まりませんか?」

しばし沈黙が続き、それから既に帰天した聖人の母親の話しになった。

「御父様、これは奇妙な事です。私が生まれたのは遅すぎたのではないのですか?」

「時にこれを奇跡と呼び、またこれはそうだったかもしれない。
お前の母は大変素晴らしい女性で、お前を産んだ時彼女は約60歳だったから、町の人々は皆彼女を聖エリザベスと呼び、彼女はまたお前のために絶えず祈っていた。
彼女は忘れ難き夢を見た。彼女は大きなバッヂを着用した団体の者達の頭となったお前を見たんだ。
赤い十字架が光っていたそうだ。
この夢が何を意味するのか彼女にもわからなかった。」

「私はその夢の話しで母を思い出します。」

父親は言った。
「これはお前が偉大な兵士なるという事かもしれない。私が知っている事全てをお前に教えた。
この事を思いだしなさい。好機なくして偉大さはないという事だ。
誰であろうとお前が仕える時は良く仕えるのだ。見なさい。」

彼はその道の下りを指し示した。

「あそこはロレート村だから、あそこで留まり明日にまた進む事にしよう。」

しかしその夕べに聖人の父は病気になり、医者が呼ばれ、続いて司祭が招かれた。
聖人は突然の出来事にただ呆然となった。
翌朝父は意識を回復し息子に語った。

「これは道の終わりだ。お前は私を大変喜ばせた。司祭を呼んでくれた事に感謝する。
ついに私はお前の母に対面する事が出来る。
彼女はかつて私が秘跡を授からずに死ぬかもしれないと心配していた。私はそれを受けた。」

父親が息を引き取ると聖人は涙を流した。

 

それから少し後に聖人の脚に原因不明の傷が出現し、結局退役せざるを得なくなった。
そうしてローマの聖ジャコモの不治の病を持つ者のための病院での仕事を与えられ、そこで彼は自身の習慣であった賭博や飲酒を克服した。
また病者や貧者達の擁護者となった。
聖人は使命感を持ち、病者の世話によって主イエズス・キリストために働く意志を持った熱心な二人の者達と「病者の良いしもべ達」という会を組織した。

 

また聖人は教会との一致における社会の目標が受け入れられる強い望みを持っていた。
この事について聖人は絶えず祈り、人間の力が及ばぬ所に働きかけた。

ラウロ司教の助けでシクストゥス教皇に謁見し、彼の組織の規則として胸に赤い十字架を着用する事が許された。

 

1586年、カプチン会の司祭2年目であった聖人は、病者や貧者に献身的に世話をする修道会の設立を裏付ける夢を見、またシクストゥス5世教皇の承認を受けた。
それはやがて全世界に広まる「聖カミロ修道会」であった。

 

1614年7月14日帰天。天主との大きな賭けに聖人は常に勝利した。

1746年、ベネディクト14世によって列聖。
祝日7月14日。病院、病者、医療関係従事者の保護者。

<祈願>

「ああ天主よ、御身の司祭なる聖カミロを病者への並外れた聖寵もて飾り給いたれば、彼の功徳によりて御身の我らへの愛を注ぎ現し給い、それによりて地上における我らの兄弟のうちに在し給う御身に仕え奉りて、臨終においては御身のもとに安全に進み奉らんことを。」

 

 

<Raccolta 128 聖カミロ・レリス>

ピオ9世教皇聖下は聖なる会衆への布告により1853年8月8日、聖職者らの病の司祭への祈祷においてこの聖人への信心を増す事を認められました。

T.7年の免償は個別のものであり、その年の如何なる時においても公的、あるいは私的であれいつでも敬虔にこの聖人に光栄を帰し奉るうちに、7回の日曜日にこの聖人に光栄を帰し奉るいくつかの信心深き祈祷を捧げるならば免償は各日曜日に与えられます。祈りは痛悔の心をもって祈ります。

U.7回の日曜日に告解と聖体拝領の後に祈りを唱え、訪れたる教会もしくは公的なる祈祷所にて教皇聖下の御意向に従って祈る全ての者は7年ではなく全免償。

 

<聖カミロ・レリスへの祈り>

「ああ栄えある聖カミロ・レリスよ、貧しき病者の特別なる保護者、まことの雄々しき仁慈もて四十年の間御自ら現世的、霊的必要者への救いに献身し、彼らへの支えを喜びて、今もなお寛容にして、御身が天の御国において祝せられしより、聖なる公教会によりて彼らを御身の力強き御保護に委ねられし御者よ。

全能なる天主より、彼らの病の全ての癒し、さもなくば、ともかくもキリスト者の堅忍と忍従の精神とを得させ、彼らを聖化し、永遠へと移る時においては彼らを慰め給え。

同じくして、我らのために、天主の愛を修むるにおいて御身の模範に続きて生き、そして死ぬる尊き聖寵を得させ給え。アーメン。」

 

「主祷文」「天使祝詞」「栄唱」を各一回唱えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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