聖ミカエルへの祈り
ある日、教皇レオ13世はミサ聖祭を終えられた時、突然恍惚となり、御足が祭壇の所で止まった。
後にその時何があったのかを尋ねられると教皇聖下は御自分の聞いた声について説明をされた。
・・・穏やかな声と、そして荒々しい声、二つの声だった。これらの声は会話をしていた。
荒々しい声は傲慢サタンで、我々の聖主に誇っていた。
サタン:「私はあなたの教会を破壊出来る。」
我々の聖主は穏やかな御声で答えられた。 天主:「おまえに出来るのか?そうなるが良い。」
サタン:「そうなるであろう。そして私にはさらなる時間と力が必要である。」
天主:「どのくらいの時間と力かな?」
サタン:「100年。そうして私に仕える人間に大きな力が与えられよう。」
天主:「おまえには時間と力があるのだ。おまえの意思通りになるであろう。」
レオ13世はもしサタンが与えられた期限の終わりまでに目的を達成出来なければ、
この上ない屈辱的な挫きを被ることになると理解した。
さらに天主に従い奉る人々には、サタンとその軍団の猛襲に直面しても助けられ、
彼らは正しい力を与えられて正しい事に力を用いるであろう事、彼らの祈り、犠牲、
そしてキリスト者としての人生を通して、天主の代理者である人々の力と悪魔の力とを相殺出来るであろう、と考えられた。
そうしてこの致命的な戦いにおいて、また大天使聖ミカエルが偉大な役割を果たすのを御覧になられた。
かくしゃくとしたルチフェルと堕天使達が天国から追放された”天主への最初の反乱”と同様に、
この戦いにおいても結局はサタンは地獄に投げ入れられるであろう、と考えられ、この幻視によって、教皇レオ13世は
この「大天使聖ミカエルへの祈り」を作成された。
「大天使聖ミカエル、戦いにおいて我らを守り、悪魔の凶悪なるはかりごとに勝たしめ給え。
天主の彼を治め給わんことを伏して願い奉る。
ああ天軍の総帥、霊魂をそこなわんとてこの世を徘徊するサタン及びその他の悪魔を、天主の御力によりて地獄に閉じ込め給え。
アーメン。」
(Raccota 447 唱える毎に3年の免償)
「Sancte Michael Archangele, defende nos in proelio, contra nequitiam et insidias diaboli esto praesidium. Imperet illi Deus, supplices deprecamur: tuque, Princeps militiae coelestis, Satanam aliosque spiritus malignos, qui ad perditionem animarum pervagantur in mundo, divina virtute, in infernum detrude. Amen. 」
(大天使聖ミカエルの御出現の祝日の聖祭の祈祷より)
「アレルヤ、アレルヤ。大天使聖ミカエル、我らが審判への恐れのうちに息絶えざらんよう、戦いにおいて我らを守り給え。
アレルヤ。天より聖ミカエルの下り給えば、地は震え、海は揺り動かされん。アレルヤ。」
「力強き援助のため、天軍の総帥なる栄光ある王子、反逆の霊共を超えた勝利者聖ミカエルに、
非常に弱く罪深いながらも非常な誇り及び野心を抱きがちである私を御忘れにならないで下さいますようにお願い致します。
すべての誘惑と困難における力強き援助を、またとりわけ邪悪な力との私の最後の闘争において
お見捨てにならないで下さいますように、私をお与えし、お祈り致します。 アーメン。」
「天軍の栄えある総帥、大天使聖ミカエルよ、かつて悪魔の大軍が全能なる天主に反きし時、御身は"たれか天主にしくものあらん"と叫び、
あまたの天使を率いてかれらを地獄の淵に追い落とし給えり。
故に公教会は御身をその保護者となし、特に日本公教会は、御身をその守護者と崇め奉る。
▲願わくは霊戦に当りて我らを助け、悪魔を退け給え。
我らをして御身にならいて、常に天主に忠実ならしめ、その御旨を尊み、その御戒めを守るを得しめ給え。
かくして我ら相共に天国において天主の御栄えを仰ぐに至らんことを。御
身の御取次によりて天主に願い奉る。アーメン。」
「大天使聖ミカエルよ、我らが恐るべき審判のうちに滅ぶを赦し給わず、戦いにおいて我らを守り給え。」
(唱える毎に300日の免償/1893年8月19日 教皇レオ13世認可)
「SANCTE Michael archangele,defende nos in praelio,utnon pereamus in tremendo judicio.」
大天使聖ミカエルは、病者、水夫、警官の保護者とされています。公教会の伝統は聖ミカエルに対し四つの意向で祈ります。
1.サタンとの戦いのために。
2.敵共よりの、殊に臨終における信心深き霊魂の救霊のために。
3.天主の者達のための闘士となるために。
4.地上を離れし者の霊魂を義に導くために。
「聖ミカエルよ、御身の御心は天主と人間のための大いなる慈悲に満ち給えば、我らの主は御身の愛に報い給いて、
奇しき仕方において御身の心と彼の心を換え給う。
病、恐れ、孤独に悩める全ての者のために祈り給え。
全ての病と試みにおいて天主の御旨に従うを我らに教え給え。
御身の生けし如く、我らが今も永久に至るまで善を為して生くるを助け給え。アーメン。」
「栄えある総帥、大天使ミカエル、我らの上を思い給え。
▲願わくは何時にても、何処にても我らのために御子に祈り給え。ああわが天主よ、我天使の前にて、御身に向いてほめ歌わん。
▲我御身の聖殿御前に拝礼し、御身の御名を賛美し奉らん。
祈願
ああ天主、主はくすしき階級を立てて、天使と人との聖役を分かち給えり。願わくは天において主の御前に仕うる天使をして、
地上における我らを守らしめ給わんことを。我らの主キリストによりて願い奉る。大天使ミカエルよ、戦いの中に我らを防ぎ給え。アーメン。
▲恐るべき審判において滅ぶを赦し給わざれ。」
教会認可
このチャプレットは一般のロザリオを用いて祈ります。
始めに十字架の御像の所で次の祈りを唱えます。
「大天使聖ミカエル、今日の戦いにおいて我らを守り、悪魔の罠とはかりごとに勝たしめ給え。
天主の彼を治め給わんことを伏して願い奉る。
ああ天軍の総帥、霊魂をそこなわんとてこの世を徘徊するサタン及びその他の悪魔を、
天主の御力によりて地獄に閉じ込め給え。アーメン。」
各大珠で次の祈りを唱えます。
「永遠の御父よ、我らと全世界の罪の償いがため、御身の至愛の御子なる我らの主イエズス・キリストの
御体と御血、及び御霊魂と御神性とを御身に捧げ奉る。」
各小珠で次の祈りを唱えます。
「イエズスの悲しみを極められし御受難によりて、我らと全世界をあわれみ給え。」
このチャプレットのしめくくりに、次の祈りを唱えます。
「聖なる天主、聖なる全能の天主、聖なる永遠の天主よ、我らと全世界をあわれみ給え。」
1.しばしば次の短い呼祷を唱える。
「ああ栄光に満てる聖ミカエル、天宮の総帥、今も臨終の時も、我らのために祈り給え。」
2.病の時に彼の御助けを呼び求める。
3.誘惑の克服や誤りを正す事が困難である際に聖ミカエルに熱心に祈る。
彼は克服に対しいとも激烈にして誘惑を伏させる者であるからである。
4.聖ミカエルの御絵、御像などを保ち、それを目にする毎に次の呼祷を唱える。
「ああ栄光に満てる聖ミカエル、我御身を愛し奉る。
ああ栄光に満てる聖ミカエル、我を助け給え。」
5.聖ミカエルへの祈祷によって、悪魔から世が守られ、悪より我らが救われる事を願う。
聖祭、聖体拝領、ロザリオなどを聖ミカエルに光栄を帰す意向をもって捧げる。
一年のいかなる期間であれ、聖ミカエルに対し光栄を帰し奉るうちに、九日間継続する意向をもって
何らかの祈りを唱える敬虔なる者に、一日毎に5年の免償。
この九日間祈祷の終日に、通常の条件下で全免償。
(1849年1月3日 教皇ピオ9世 謁見において)
「聖ミカエル、天主に対する誘惑を引き起こす悪魔と悪霊に対する、御父なる天主の地上の子らの守護者よ。
聖ミカエルは、天主を愛し、御子なるイエズスに従い奉る全ての霊魂の保護者なれば、大天使なる聖ミカエルに祈り奉らん。
聖ミカエルは、天主のしもべなり。
大天使聖ミカエルは、天つ御国におけし、御父なる天主のいとも愛し給う大天使かな。」
<煉獄の霊魂の救いに力強き大天使聖ミカエル>
敬虔さを言い表していたシトー会のある修道士は彼の死後、友人でもあった司祭に出現し、
その司祭が大天使聖ミカエルの御とりなしを願って捧げる聖祭の間、煉獄より修道士の霊魂を解放し得るであろうと言いました。
その司祭はその願いを聞き入れて聖祭を捧げてた所、修道士が他の者達と共に慰めを受け、大天使聖ミカエルによって
天つ御国に上げられるのを見ました。
またある司祭が死者のために聖祭を捧げていたところ、このように特別な礼儀でもってある霊魂が司祭に勧めました。
「天使の総帥である聖ミカエルが、彼らを天つ御国の栄光へと連れ行かれるだろう。」
同時に司祭は、大天使聖ミカエルが天つ御国より煉獄に入られて、幾人かの霊魂を解放し、楽園に導かれているのを見ました。
<大天使聖ミカエルへの信心>
聖アルフォンソ・リゴリオの記述の中に、大天使聖ミカエルの話しを見つける事が出来ます。
ある高貴なポーランド人は長年に渡って悪しき生活を過ごし、
死が近づいてきた頃、良心の呵責によってそれまでの悪しき生活に恐ろしさで一杯になり、そうして完全に絶望しました。
どんな励ましや勇気づけも、彼には効きませんでした。
彼はそれまで、あらゆる霊的な慰めを完全に拒否してきました。
しかしそれでもこの不幸な男は、僅かながらも大天使聖ミカエルへの敬いをもっていたので、天主はこの男の臨終の苦悶の中で、
聖ミカエルが出現される事を許されました。
聖ミカエルは男に、改悛のために勇気づけられ、男は祈り、この状況において、自分の霊魂のために充分な時を与えられました。
それから間もなく、ドミニコ会の二人の司祭が訪れ、司祭は、見知らぬ人物が我々をここに遣わしたと言いました。
男は、それが大天使聖ミカエルの御業である事を悟りました。
男は告解をし、改悛の涙を流し、信心を持って御聖体を拝領し、息を引き取りました。
<大天使聖ミカエルへの信心U>
聖フランシスコ・デ・サレジオは、「聖ミカエルの崇敬は、天主の義の軽蔑、反抗、懐疑に対する偉大なる医薬である」と
書きました。
「ああ聖なる大天使よ、我らを御身の如く、天主に常に忠実ならしめ給え。
我らもまた公たる主にして大君なる彼を愛し奉り、敵なしとならんことを、彼に祈り給え。
我らの楯とよろいとなり、いついかなる時も、我らに常にいと高き御者の光栄を守らしめ給え。」
<尊者アンナ・カタリナ・エンメリックの幻視>
尊者アンナ・カタリナ・エンメリックはしばしば過去と未来の公教会の戦いの幻視を与えられ、
尊者は繰り返し、聖ミカエルが戦士の姿で、公教会の上で血に濡れた剣を持って立たれているのを見ました。
剣が鞘に戻されるのは、勝利のしるしでありました。
尊者はまた、公教会の戦いのまさにその日に、いかにして聖ミカエルが最も輝かしき勝利をもたらされるのかについて
見せられました。
現在公教会に向けられている迫害の多くの矛先を警告と見る全ての信徒は、これも慰めになるでしょう。
<祈願>
「ああ、聖なる大天使よ、我らを守り、天主の御血の御徳を我らに得しめ給いて、
かくして我らの霊魂の敵どもを超える勝利と、
天つ御国の福楽を御身と共に喜ぶを得しめ給え。」
<聖ミカエルによりて冠を願う短き祈り>
「ああ主よ、今なお高慢の総帥と戦うミカエルによりて我らに、潔白なる子羊の光明の王座の御前にて、
我らの報いの冠を与えしめ給え。」
<公教会と信徒の守護を求むる祈り>
「ああ、栄えある聖ミカエル、イエズス・キリストの公教会の守護者よ、放たれし地獄の力に対するこの教会の助けに来たり給い、
殊に彼女の尊き頭には御配慮もて守り給い、速やかに至るであろう勝利の時を、彼と我らに得させ給え。
ああ栄えある大天使聖ミカエルよ、今生の間我らを見守り、殊に臨終の時に我らを支え給え。
我らに恩寵ある審判と、終わりなく世々に至りて天主の御面(みおも)に相共に向かい合い、天主を見奉る
幸いとを得しめ給え。アーメン。」
<祈願>
「慈悲深き天主よ、敵どもの力よりの我らの救いのため、
天の軍団の総帥なるミカエルを我らに遣わし給い、
御身の臨在の内に 我らを損なわしむることなく導き給え。
我らの主にして天主よ、我らは御身の恩寵が いかに彼を高みに挙げられしかを知れり。
彼が常に 御とりなしと共に 我らに近づきて助け給い、
それによりて我ら 生命の書に記されし我らの改悛の記録と共に
望む一切の徳と共に生くるを得られんことを。
ああ 天霊なるミカエルよ、
我ら 御身の翼のよりどころに 信頼もてはせ寄り奉る。
我らの生くる限り 我らを見守り 守護し給い、我らの臨終においては 我らの助けに来たり給え。
ああ よろずの民の友よ。アーメン。」