聖アンナ

      マリアの母であり、聖ヨアキムの妻。祝日7月26日。

<祈願>

「良き聖アンナよ、御身は我らの救い主の母なる至聖童貞マリアの母となるべく天主によりて特別なる恩寵を与えられ給えり。
御身の御力及び御身の至純なる娘と天主の御子とによりて、情け深く我らのために恵みと、今求め奉る恩寵とを得させ給え。
我らのために、我らの過去の罪の赦しと日々の義務を忠実に行なう強さとを得させ給い、イエズスとマリアへの愛における
忍耐にとりての必要において我らを助け給え。」

 

「全能永遠の天主よ、主は人類を救わんために聖マリアの御胎内に御独り子を託身せらるるにあたり、聖マリアの御母として
聖女アンナを選び給えり。
キリスト信者なる我らは、聖アンナのいつくしみあふれたる清き御生活を家庭の模範となし、聖女がその御子なる聖母を
養い育て給いし如く、母たる者はまことの母性愛を持って子女を育て得るよう、聖女のあつき御保護を祈り奉る。 アーメン。」

 

「良き聖アンナよ、我らのため御聖体の偉大なる神秘への信仰を増さしめ給え。
この偉大なる秘跡のうちに我を助け、我らの高貴なる司祭、キリストの十字架上の死における救いの恵みを我がために
うつつに得させ給え。
主の肉と御血とに餓え渇く我が霊魂が、主のうちに生き、また主が我がうちに住まわれんことを。
天主の者らの一致及び主の教会を集めさせ、御身の天主に対する力強き御とりなしによりて、祭壇の周囲にわが生活の意を注ぎ、
我が主の御約束を受け継ぐを助け給え。”我が肉を食べ、我が血を飲む者は永遠の命を有するかな” アーメン。」

 

「ああ御身のものなる諸聖人の天主よ、御身は聖ヨアキムをして、御子の御母の父とならんことを定め給いたり。
彼を敬い奉る我らをして永久に彼の御保護を被らしめ給え。」

 

<聖マリア及び聖アンナに光栄を帰し奉る祈願>

「めでたし、聖寵充ち満ち給い、主御身と共に在し給いて、我その聖寵にあずからんことを。御身は女のうちにて祝せられ、
罪の汚れなくして御身を産み給うた聖アンナも祝せられ給う。
ああ童貞マリア、御身の産み給うた生ける天主なる御子イエズス・キリストよ。アーメン。」

 

 

                   <聖アンナのチャプレット>

               霊的、もしくは現世的な恵みを頂くために祈られます。

このチャプレットは一連が一つの大珠と五個の小珠からなる三連と、聖アンナのメダイから構成されています。
もし専用のチャプレットをお持ちでなければ、一般のロザリオを用いられて構わないと思います。

初めに大珠で「主祷文」を1回唱え、各小珠で「天使祝詞」を唱えます。「天使祝詞」の後に毎回次のように唱えます。
「イエズス、マリア、聖アンナよ。我が願い奉る恵みを得させ給え。」ここまでを1連として3連繰り返します。
1連目はイエズスに、2連目は聖マリアに、そして3連目は聖アンナに光栄を帰する為に唱えます。

 

<聖アンナの御生涯>

時のはじめより童貞マリアの御母、そして救い主の祖母と選ばれ給うた聖アンナは裕福な家庭に生まれました。
これは尊者カタリナ・エンメリック、聖ブリジッタ、尊者アグレダのマリア、そして聖エリザベス・シュオノーのような
神秘家によって後世に残された著述によって知られています。

祝せられた童貞マリアとの一定の霊的伝達を行っていた聖ブリジッタはこのように伝えられました。
「原罪なくそして罪のなきうちに私が宿りましたことは真実です。
わが御宿りはこの上なき時でありました。
わが御子は私の父上(ヨアキム)と私の母上(アンナ)のそれまでに見られたことのなき清らかなる一致、
そのような純潔なる結婚のうちに結びあわされました。
二人の官能性は消滅しておりました。
そうしてわが肉は天主の御慈悲によって形成されました。」

聖ブリジッタは天主の掟を守るために天主によってそこに選ばれたヘブライ人達の国家と、
更に偉大な命令を守るべく潔癖なる幾人かを明らかにしました。
アンナの家族は一年の収入の三分の一を神殿に与え、もう三分の一をほどこしとして与え、
残りの三分の一を頼りに生活していました。
そうした時でさえも彼らの群れと所有はナザレの近郊のセフォリスの中の美しい郊外の土地で増え続けました。

アンナの母親が息を引き取る直前に、アンナが特別な容器であり、相応しい夫のために祈るべきであるとの啓示を伝えました。
同時にナザレの別の地域に妻を選ぶために天主の御助けを求めていた敬虔な中年の未婚男性がおりました。
全ての天使の中で唯一アンナの定めを知っていた大天使ガブリエルは聖アンナに現れ言いました。

「天主は御身に祝福を、天主のしもべを御与えになられます!救い主の到来と主の御喜びのために祈り続けなさい。
御身の夫としてヨアキムを受けられることが天主の御旨です。」

ガブリエルはその後ヨアキムのもとに行き、次のように言いました。
「主によって祝せられたる御身ヨアキム!義と完成の実行において忍耐強くあられんことを。
主は御身にアンナを妻として受け取られることを御望みであられます。
天主に感謝を捧げるため、彼女が主の親愛なる者であられるために彼女を保護し尊びなさい。」

翌日ヨアキムは結婚の許しを願うためにアンナの父親のもとに行きました。
この時アンナは24歳であり、ヨアキムは42歳でありました。

彼らは尊敬されるべき夫婦でありましたが、子供のないまま20年が過ぎました。
子供のない日々の中で、夫婦が約束された誕生にむけて貢献することがなく、これは災いであると考えられました。
ヨアキムが神殿に犠牲を捧げに行った時、彼は祭司長に厳しく非難されました。
「ヨアキムよ、なぜここに来るのか?お前の捧げ物を主は御受け取りにならないのだ!」
恥ずかしさの中で顔が真っ赤になり、ヨアキムは家族の群れが守られているヘルモン山の斜面に引き下がりました。

家ではアンナが二つの惨めさの中で泣きました。
彼女が44歳になってもまだ子供がないというだけでなく、周辺の町の噂では夫が彼女を見捨てたということでありました。
自分の部屋でひれ伏して祈り涙ぐんでいる時、もう一度ガブリエルが天主の申し付け通りに彼女のもとに来ました。

「アンナ、天主のしもべよ、主は御身の請願を御聴き容れ下さいました。
もし主が実現を延ばされ給うならば、それは御身を準備し、また御身の願いよりも多くを与えられようとされるためです。
いと高き御者が御身とヨアキムに聖にして素晴らしい実を、主に最も喜んで謙遜な信頼のうちに祈り奉る者のために
与えられようと御決断なさられたのです。

今、御身の喜びの知らせを与えるために主は私を御遣わしになりました。
主は御身を人類の救い主を産みもたらす御者の御母となられることをお選びになられます!
御身はその御娘をお産みになり、彼女はマリアと呼ばれるでしょう。
彼女は女の中で祝福され、聖霊に満たされるでしょう。
私はヨアキムに彼が聖なる御娘をもつであろうことを告知しましたが、彼は救世主の御母となるであろうことを知りません。
ですから、この秘密を守って下さい。
そして、さあ、主に感謝を捧げるために神殿に行き、(エルサレムの)金門にてヨアキムに会うでしょう。」

その晩アンナは夢うつつの中で寝室の壁に天使が金色の文字で"マリア"という名前を書いたのを見ました。
夜明けを迎えその文字が消えるまで、彼女はその神秘を黙想しました。

大天使ガブリエルは忙しく、その晩ヨアキムを訪れ、彼に娘ができ、彼女が神殿に仕えるために捧げられるであろうことを彼だけに啓示しました。
ガブリエルはアンナに会うために金門に行くように伝えました。

アンナは翌朝早く目覚め、神殿に向かって晴れやかに歩きました。
彼女は感謝の犠牲を厳粛に捧げました。その後数人の敬虔な婦人達を伴って金門へと歩きましたが、
その女性達の中でアンナは女預言者でありました。
アンナはマリアが成人に達するまで神殿にて教える定めでありました。

神殿の別の場所にてヨアキムは更に犠牲を捧げる準備をしていました。
天主の聖寵によって、天使によってそこに移された神殿の祭司によって彼の贈り物は受け取られました。
その後祭司はヨアキムを聖所へと連れて行き、そこで彼は恍惚のうちに床に倒れました。
気がついた時、アンナが彼を待つ金門へと率先して行きました。

二人は優しい感情の中に包まれ、また互いに天使の告げを知らせました。
突然天が開き至聖三位一体が愛と喜びと共に二人を御覧になられました。

その後ヨアキムとアンナはエルサレムを去って、大盤振る舞いをして貧しい者達に両腕にありあまるほど分け与えたナザレに戻り、
アンナは静かに無原罪の御宿りとして知られる少女を産む日を待ちました。

 

<聖ヨハネ・ダマセノの記述>

ヨアキムとアンナはいかに祝せられし夫婦であられ給いしか!被造物は御身らの御恩を受けているのである。
御身の御手によりて被造物は他の全ての賜物を凌駕する賜物を供されたのである。彼に唯一相応しき御者、純潔なる御母を。

ヨアキムとアンナよ、いかに祝せられし汚れなき夫婦であられ給いしか!
主ののたまいし如く、御身はその結び給いたるその実によって知られ給うたのである。
"彼らの実によって、あなたは彼らを知るであろう。"御身らの御生活の行いは天主を喜ばせ、御身らの御娘に相応しきものであり給うた。
共に送られし聖にして純潔なる御生活によりて貞潔の宝石を作られ給うたのである。

御娘は御出産の以前、そのさ中、そして産み給いし後も童貞であり給うた御者なり。
御身においてはその精神と御霊魂と同様にはじめより全ての時においてその純潔を保たれのである。

ヨアキムとアンナはいかに純潔なる夫婦であられ給いしか!
御身の御人性における敬虔にして聖なる御生活を送られ給いし間、今は天使よりも尊貴にして、彼らの元后なる御娘を産まれ給うたのである。

 

<聖アンナの五つの御喜び>

 

一.ああいと優しき聖アンナ、我は御身に天主の御母の母なるに、いと高き御者に選ばれし大いなる威厳を思い奉れり。
この聖寵によりて、願わくは我が選ばれし主のもののうちに数えられんことを。アーメン。」
 「天使祝詞」一回

二.ああいと尊貴なる聖アンナ、我は天使が御身に現れ、御身が天主の御子の御母となる御娘を宿し給うを告げ知らせし
時の、御身の経られし大いなる喜びを思い思い奉れり。
この大いなる喜びによりて、願わくは全ての逆境においてわがための霊的喜びを得させ給わんことを。アーメン。」 
「天使祝詞」一回

三.ああいと優れし聖アンナ、我は御胎内の御子を産み出し給い時の御身の経られし喜びを思い思い奉れり。
この大いなる喜びによりて、願わくは御娘の天主の御子によりてわがために天主の聖寵と恩寵とを得させ給わんことを。 
アーメン。」 
「天使祝詞」一回

四.ああいと幸いなる聖アンナ、我は天主なる御父に、御身の三歳の御娘がエルサレムの神殿に捧げられし時に、
御身の経られし大いなる喜びを思い思い奉れり。
この大いなる喜びによりて、願わくはわが生の有様に従いて天主に仕える聖寵を得させ給わんことを。アーメン。」
 「天使祝詞」一回

五.ああいと善にして、全ての賛美にふさわしき聖アンナ、我は御身のいと愛せる御娘とその御家族とを天つ御国おいて
みそなわせる時の御身の大いなる喜びを思い奉れり。
この大いなる喜びによりて、願わくはわが臨終において我を支え、終わりなき命に至るを助け給わんことを。アーメン。」
「天使祝詞」一回

 

<聖アンナに特別なる御恵みを求むる祈り>

「御身にこいねがい奉る者に慈悲に満ち、悲しめる者に愛に満てし栄えある聖アンナよ、わが困窮の重荷を重く積みて、
我は己を御身の御足元にして述べ奉り、つつしみて我が御身に委ぬる特別なる御保護の下、
直面せる事態を受け取り給わんことを願い奉る。

いみじくも御身の御子女なる祝せられた童貞マリアにこれを委ね給いて、イエズスの王座の御前に据え、
かくして彼がこれに幸いなる流れをもたらし給わんことを。
わが請願の与えらるるまで、わがためのとりなしを止め給わざれ。

とりわけ、いつの日にか、わが天主の御顔に面し仰ぎ見、御身とマリア、諸聖人と共に全く永遠に彼を祝し称える
御恵みをわがために得さえ給え。」

「善き聖アンナ、我らの生命、甘美、望みなる御者の御母よ、我らの請願を得させ給わんことを、彼女に祈り給え。」
(三回繰り返します)

 

 

Raccolta493 敬虔なる修練>

a任意の週において、火曜日に聖アンナに光栄を帰し奉るうちに、何らかの祈りを信心をもって唱える信心深き者に、7年の免償。
通常の条件下で全免償。

この信心深き修練を
9回、継続して火曜日に行う者に対し、通常の条件下で全免償。

1912822日 聖座認可)

 

b9日間継続する意向を持って聖アンナに光栄を帰し奉るうちに、信心深き嘆願を捧ぐ信心深き者に、このノベナのいずれかの日に
7
年の免償。

このノベナのまっとうにて、通常の条件下で全免償。

1912822日 聖座認可)

 

Raccolta490 呼祷>

「ヨアキム、聖アンナの浄配、慈悲深き童貞女の御父よ、御身のしもべらの救霊の助けを、こちらにもたらし給え。」

(一日に一度
300日の免償。 1906528日 ピオ10世教皇聖下の御署名による。)

 

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system