金と銀の珠の祈り

 

聖大ゲルトルードが、イエズスの御名に光栄を帰し奉るためにこの、御礼の輪を捧げていたところ、金の鐘とバラで囲まれた形の中に
イエズスが御出現になり、その芳香は万言もなお及ばざる喜びと共に、聖心に触れ、美しき調和がありました。

これが信心深き意向をもって繰り返された間、最も心を奪われるメロディーが捧げられました。
また、唱えている間、意向に対して不注意に唱えられた時は、低く、泣き叫ぶ音を発しました。

そうして主は言われました。
「誰であれ、私に祈る時はこのように祈れ。
めでたし、甘美なるイエズスよ……。
天主の御頭の甘美の深みは、わが内でかき回され、奇しき香りの全てがわが前に広がり、私はこれらの言葉を繰り返す者の上に、
その香りを注ぐであろう。

このチャプレットは、一連が金の大珠と、五つの銀の小珠からなる三連によって構成されています。
もし専用のチャプレッとを御持ちでなければ、一般のロザリオを数を調節されながら用いられて構いません。

 

始めに、(金の大珠で)祈ります。

「めでたし、いと愛するイエズス、天主の光栄の生命を与え給う萌芽、人たるの尊厳の堕ちざる花にしてわが救霊(たすかり)よ。
御身はわが創造主にして救い主なり。
御身は一切の無上の喜びと、ほまれとを残し給わんとして、御死苦をもって御自らわが為に得させ給いしほどに、
我をいとも愛し給いたり。」



続いて各小珠で祈ります。

第一の小珠:
「めでたし、いと甘美なるイエズス、この代価もて世をあがない給いし、至聖三位一体のいと尊き真珠よ。」

第二の小珠:
「めでたし、感ずべきイエズス、御顔の妙光もて御身の選ばれ給いし者を悟らしめ、天つ御国に急がせ給う御者、
御父のほまれの輝ける光よ。」



第三の小珠:
「めでたし、いと崇むべきイエズス、御身の愛の火もて諸天使と諸聖人の心に燃えし御者、義の太陽より光放つ光輝よ。」

第四の小珠:
「めでたし、いと尊貴なるイエズス、万有の創造のために御身の御神性の御本性にあずかり給いし御者なる、
御父の御本性の生けるかたどりよ。」



第五の小珠:
「めでたし、いと令名なるイエズス、世の闇を照らし、罪の闇をも散じ給いし御者なる、公教会の明けの星よ。」

 

 

(次の大珠で)祈ります。

「めでたしイエズス、御身の御神性の魅力のうちに、いとも麗しき花婿よ。
我御身に御礼を為し奉り、愛のうちに傷つき給いし御身を、全被造物の愛をもって御身をいだき、わが唇もて接吻し奉る。」


第一の小珠:
「めでたし、人の生み殖やしの業にて創造されざる知性にして宣べ得る、人の子らよりも公正なるイエズス、
御父の大洋のうちに生まれ給いし昇る真珠よ。」


第二の小珠:
「めでたし、蜜と蜂巣よりも甘美なるイエズス、
渇ける一切の飢えし霊魂を癒し給う御者、驚くべき甘美さなる天つ御国のマナよ。」


第三の小珠:
「めでたし、いともきらめき渡れるイエズス、
人の労苦と惨めさの重荷を照らし負い給いし御者、創造されざる愛のなお燃え盛る火よ。」


第四の小珠:
「めでたし、いと優しきイエズス、苦悶にありし全ての霊魂の苦を除き給う御者、天流の甘路よ。」

第五の小珠:
「めでたし、我らの性(さが)の貧しきを富ませ給う御者、御神性の精髄の宝宮なるイエズスよ。アーメン。」

 

 

(次の大珠で)祈ります。

「めでたし、聖寵満ちみてるイエズス、仁慈御身と共に在します。
御身は人の子のうちにて祝せられ、御身のいと聖なる御名と、御生涯と御受難も祝せられ給う。
ああ甘美なるイエズス、天主の御子、罪びとなる我らのために、今も臨終の時も祈り給え。アーメン。」



第一の小珠:
「めでたし、浄配にして童貞らの冠なるイエズス、
童貞女の御子なる御身を生み出したる愛なる御者よ、我らは御身をとこしえに称え奉らん。」


第二の小珠:
「めでたし、万有の支配者なるイエズス、
人の子らよりも美なるうちに公正に在し給えば、我らのいとも寛容なる主として御身を認め、称え奉らん。」


第三の小珠:
「めでたし、天主の御頭の不可思議なる輝きなるイエズス、世の一切の罪を消し去り給う御者、
不可思議の中の不可思議よ。」


第四の小珠:
「めでたし、我らの慰めなるイエズス、天主の富の宝を我らに開き給う御者よ、御身は貧しき者のまことのより所にして、
苦しめる者の慰めなり。」


第五の小珠:
「めでたしイエズス、一切の喜びと望みとを超えし御者は、天使のほまれにして、生ける泉、よろずの精神の光明なるかな。アーメン。」

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