「信者は敬虔に準秘跡を使い、また使う事によってその恵みを受ける事が出来ます。
その意向に沿って教会または家で聖水を使う事などが勧められます」(カトリック要理)
「準秘跡は人々に主要な効果を受ける心構えを持たせ、
またこれによって生活の種々の状況が聖化されるのである。」(典礼憲章60)
信仰と敬虔の念をもって散布された聖水は、聖心からの祝福をあなたの愛する生者、
もしくは不在の者に運び、肉身と霊魂を全ての害悪より保護する事が可能です。
また心配や恐れがあなたを占領する時、あなたの親愛なる者に願って
公教会の祈祷と聖水の功徳を得させてもらう事が可能です。
煉獄において貧しき霊魂達がいかに聖水を熱く望んでいるかを理解するべきです。
天に最も近き霊魂が、そこより解放されるための聖水のただ一滴を望んでいるかもしれません。
公教会信徒には家庭に聖水を常備する事が勧められています。
聖なる公教会は殊に火、嵐、病気、不和、
もしくは他の大災難などの様に公教会の子らを脅かす災いの際に聖水を用いる事が強く勧められています。
Q.聖水とは何ですか?
A.聖水とは司祭の規定された祈祷によって祝別された水で、これを用いる者に対する天主の祝福と、闇の力からの保護を乞い願います。
Q.聖水には何故塩が入れられるのですか?
A.ユダヤ人の慣習からきたもので、また塩の象徴する意味のためです。
水が清掃や消火の為に用いられる様に、塩は腐敗を防ぐ為に用いられます。
水には罪の再発より我々を守るために情欲の火を消し、また罪の汚れを押し流す事を助けるための意味があります。
塩は知恵の象徴でもあり、我らの主は使徒達を"地の塩"と呼ばれました。
Q.聖水は特定の聖人への崇敬のために祝別されますか?
A.聖水は時に特殊な目的の為に、また特定の聖人への崇敬の中で祝別されます。
Q.何故日曜日の聖祭において聖水が散布されますか?
A.我々は毎日曜日に洗礼の記念を更新します。
洗礼によって我々は聖化され、罪が除かれました。
また 聖水を振り撒く事は聖祭を適切に拝聴し奉る事を妨害し注意散漫とさせる全てのものを追い払います。
悪魔は自らよりも強力である聖水を嫌います。
悪魔はそれが振り撒かれた場所、しばしばそれを振り撒く人に近づく事が出来ません。
アビラの聖テレジア教会博士は書かれました。
「ある夜もまたですが、その時において悪魔は私を窒息させようとしました。
また修女達が多量の聖水を振り撒いた時、私はまさに彼らの軍勢が一同に早く逃げ出して行き、
彼ら自ら 険しき所に下って行くのを見ました。」
「長期にわたる経験から、私は聖水ほど悪魔を遠ざけ、また再び戻る事を防ぐものはない事を学びました。
彼らは十字架の御像からも逃げ出しますが、また戻ります。
従って聖水は大きな徳を持つに違いありません。
私が自身の為に一部を受け取る時、私の霊魂は最も顕著にして格別な慰めを感じます。
実際に私の霊魂全体を慰める内なる喜びに似ており、
どうしても記述する事の出来ない休息に気がつく事はごく通常の事です。
これは空想ではなく、また私に一旦起り、これが幾度も起った事から、
私は自身に起ったものを最も注意深く観察しました。
それはあたかも非常に熱く渇く者が、冷水の瓶から飲むかの如くと我々は言うでしょう。
彼は肉身全体にわたる回復を感じる事でしょう。
私は公教会によって定められたもの全ての大なる重要性についてしばしばよく考えますし、
また公教会の言葉が大変力強いものであり、それらが水に力を与え、
祝せられていない水から大変な違いを生み出すのを見出す事と公教会は私を大変幸福にするのです。」
「ある諸死者の日の晩に私の身に起った出来事についてただ記述しましょう。
私は祈祷所におり、一つの宵課を唱え、それに続けて幾つかの非常に信心深い祈りを繰り返しておりました。
それらは非常に信心深いものであり、我々の祈祷書の中にあります。
現実の事として、私が祈りを終えるのを阻止するために悪魔は自ら祈祷書の上に降り立ちました。
十字架のしるしを行いますと悪魔は去りました。
私が再び始めますと、悪魔は戻りました。
私が祈祷を始めて3回目であったと思いますが、数滴の聖水を彼に振り撒く事によって、
私は初めて祈祷を終える事が出来ました。
同じ時、私は幾人かの霊魂が煉獄より出たのを見ました。
私は悪魔が彼らの解放の妨害を試みたのであると思いました。
その時彼らは危うく上がる所であったに違いありません。」
「聖父と聖子と聖霊の御名によって。 アーメン。」
「In nomine Patris,
et Filii, et Spiritus Sancti. Amen.」(3年の免償。聖水を用いて行う事で7年の免償。)
・聖水を用いて「十字架のしるし」を行う。
・家庭内に常備し、また戸口に聖水を入れた容器を備える。
・日常における悪魔の攻撃、夜間の誘惑に対して聖水を用いる。
・外出前に聖水を用いて「十字架のしるし」を行う。
・誘惑、罪、事故、嵐、稲妻、伝染病などの物質的、霊的攻撃からの保護のために少量の聖水を携帯する。
・保護を求めて少量の聖水を車内に置く。
・小罪の赦免を求めるために。
・現世の罪の罰の赦免を求めて。死を迎える前に煉獄の期間の短縮を求めるために。
・悪魔の祓いのために。悪魔は聖水のその支配力故に聖水を嫌うために。
・病の癒しを求める際の力強い手段として。
公教会の祈祷は聖水を受け取る、もしくは散布される毎に天に昇り、天主に健康を求め奉る力強き手段として。
「それは素晴らしい考えであり、我々はそれを言う事をためらわないのである。
信心深き者の心に聖水の利益、徳と聖化を思い起こさせ、
秘蹟の内に卓越した地位を保たせる事によってこれに留意し、我々はそれをより頻繁に、より熱心に用いるであろう。」
煉獄中の貧しい霊魂達の休息のために日々数回祈りと共に聖水を振り撒くことが出来ます。
彼らのために多くの聖水を捧げるべきです。
一回毎に聖水を数滴振り撒き、熱心に祈ります。
「ああ天主よ、御身の御あわれみのうちに、
これの滴(しずく)を煉獄中の霊魂と等しき数に増し給い、
聖水の湿りが存する限り、彼らが煉獄の苦痛を感ぜぬを可能となし給わんことを。」
また聖水を用いて信心深く「十字架のしるし」を行い、彼らに免償を捧げることも出来ます。
この祈願はゆるしの秘跡の代用とする事は出来ませんが、
聖水を用いて信心深く「十字架のしるし」を行う際に次の祈願を用いる事が出来ます。
「聖水もまた、サタンの嫌悪するものでありました。
悪魔が聖水と共に接近された時はいつも叫び出しました。
『去れ!それと共に去れ!そのひどくいやらしいものと去れ!
ああ、それは火傷させ、焼き焦がすものだ!』
ある一つの祓魔式の時、偽のラテン語の祈祷文が記された紙が、
悪魔に憑かれた一人の女性の頭上に置かれました。
善き修女さえもその祈祷文が真正なるものと考えていましたが、
実はその祈祷文は異端の古典から引用されし語から構成されていました。
修道女は祓式の中で、サタンが非常な静けさを保っている事に驚いていました。
しかし祓魔師はサタンが静けさを保っている真の理由を知っていました。
その後直ちに誰にも気づかれぬ様にして前もって用意していた、
聖水と十字架のしるしによって祝別しておいた紙を女性の頭上に置きました。
その紙は瞬く間に千ほどの細かき断片になるまで破られてしまいました。」
「ああ主よ、ヒソプもて我にふりかけ給え。
かくせば、我は清められん。
我を洗い給え。
かくせば、我は雪の如く白くならん。
わが内に浄き心を創り給え。
ああ天主、わが内に善き精神を新たになし給え。」
聖水を数滴したたらせ、「十字架のしるし」を行って祈る。