カルメルの花として知られる次の祈りは7世紀の間、聖母への祈りと呼ばれ、彼女の力ある助けがこれによって得られなかった例は一つとして知られていません。
「ああ美わしきカルメルの花、いと実り多きぶどうの木、天国の輝き、聖にして類いなく、神の御子を地上にもたらし、今も常に清純なる処女に在す御者、この必要にあたり、我を助け給え。
ああ海の星、我を助け、守り給え!御身が我が母なるを示し給え!
ああ原罪なくして宿り給いし聖マリア、御身に依り頼み奉る我らのために祈り給え。
母にしてカルメルの誉れなる者、我らのために祈り給え!
処女にしてカルメルの花なる者、我らのために祈り給え!
すべてスカプラリオを着ける者の保護者、我らのために祈り給え!
すべてスカプラリオを着けて死ぬ者の希望、我らのために祈り給え!
聖心の友、聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!
マリアの純潔なる配偶者、聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!
我らの保護者、聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!
マリアの甘美なる御心、我らの救いとなり給え!」
このチャプレットはカルメル山の聖母のメダイと十字架、一連が3つの小珠からなる三連で構成されています。もし専用のチャプレットを御持ちでなければ一般のロザリオを用いられて構わないと思います。
まずはじめに2つの祈りを(メダイで)唱えます。
「ああいとも美わしきカルメルの花、天主の御子の祝された御母よ、この困窮において我を助け給え。
ああ無原罪の童貞にして海の星よ、我を助け、御身がわが御母にして保護者なるを示し給え。」
「ああ聖なるマリア、天主の御母、天地の元后よ。
御身の御恵みに逆らい得し者は一人としてあらず、ゆえにこの困窮におけし助けのために、我心底より御身にへりくだりて願い奉る。
わがために祈り、助け、この生における支えを得させ給え。 アーメン。」
各小珠において、「主祷文」 「天使祝詞」 「栄唱」を各3回唱えます。
「ああ美わしきカルメルの花、いと実り多きぶどうの木、天国の輝き、聖にして類いなく、神の御子を地上にもたらし、今も常に清純なる処女に在す御者、この必要にあたり、我を助け給え。
ああ海の星、我を助け、守り給え!御身が我が母なるを示し給え!ああ聖なるマリア、天主の御母、天地の元后よ、この必要における救いを、我が心の奥底から御身につつしみて願い奉る。
御身のとりなしに逆らいうるものはなからじ。ああ、御身がわが母なることをここに示し給え。」
「ああ原罪なく御宿りになられた聖マリア、御身に依り頼み奉る我らのために祈り給え。」(3回)
「甘美なる御母よ、われ御手のうちにこの申し出を置き奉る。」(3回)
「ああ美わしきカルメルの花、いと実り多きぶどうの木、天国の輝き、聖にして類いなく、神の御子を地上にもたらし、今も常に清純なる処女に在す御者、この必要にあたり、我を助け給え。ああ海の星、我を助け、守り給え!御身が我が母なるの仕方にて示し給え!
ああ原罪なくして宿り給いし聖マリア、御身に向かい奉る我らのために祈り給え。
聖霊、全ての苦難を解き、全ての道を照らし給う御者、それによりて我ら目的地に至れるを可能となり給いたり。
我らに対する全ての悪を赦し忘れんがための天主の賜物を与え給い、かつ我らの生における全てのすすめのうちに我らと共におられ給う御者よ、全ての事物がために感謝し奉り、それ故に永遠の栄光のうちにて御身より決して離れざらんことを、今一度確かめ奉る。 アーメン。」
「スカプラリオのカルメル山の聖母マリアよ、▲スカプラリオの恵みを授けられあなたの愛する子らに加えられた私に、主イエズス・キリストの奥義を悟らせて下さい。
御自分をあなたにすっかり委ねたイエズスにならって、私の全てを御手に委ねます。
主イエズスはあなたによって人となり、全ての人をあがなわれた。
御母マリアよ、あなたを通してイエズスが私を受け入れて下さるように、今あなたの弱い子供である私は、母であるあなたの御手のうちに、私の洗礼の約束を新たにし、悪魔と、その虚栄と、そのわざをことごとく捨てることを誓います。
また私をあなたの清純な御心に捧げ、私の全て、私の身体と霊魂、物質的、精神的な一切の持ち物、私の過去、現在、未来の全ての善業をあなたに委ねます。
私に関する一切を余す所なく、あなたの望みのままに神の御光栄のために用いて下さい。
今から万事につけ、あなたを敬い、あなたに従うことを望みます。
私の汚れない御母よ、いつも私を神である、あなたの御子イエズスの忠実な弟子として下さい。
私が生きるのはもう私ではなく、私のうちにキリストが聖霊と共に生きておられると言えるほどにして下さい。 アーメン。」
「聖なる童貞、カルメルの美、とこしえに咲き給う童貞の花、天のまばゆき装飾、神なる者の童貞なる御母、聖愛の御母、あわれみと柔和の御母、すべての母達をこえて光栄を帰されたる御母よ、御身の愛し給うカルメルの子ら、聖なるスカプラリオを着用する幸福をもつ全ての者に、いつくしみ深くあり給え。
ああマリア、カルメルの美わしき聖母、天の門よ、我らは御身に向かいて嘆息をもらし、叫び奉る。ああマリアよ、我らすべてを祝し給え。 アーメン。」
このノベナは見捨てられたことがないものとして知られています。3日間続けて祈り、その後その祈願を公表するのであればその祈願を御聴き容れ下さるというものです。
「ああ美わしきカルメルの花、いと実り多きぶどうの木、天国の輝き、天主の御子の御母、無原罪の童貞よ、この必要にあたり、我を助け給え。
ああ海の星、我を助け、守り給え!御身が我が母なるを示し給え!ああ聖なるマリア、天主の御母、天地の元后よ、この必要における救いを、我が心の奥底から御身にへりくだりて懇願し奉る。
(ここであなたの請願を唱えます。)
御身のとりなしに逆らいうるものはなからじ。ああ、御身がわが母なるをここに示し給え。
ああ原罪なく御宿りになられた聖マリア、御身に依り頼み奉る我らのために祈り給え。(3回)
甘美なる御母よ、われ御手のうちにこの申し出を置き奉る。(3回)
アーメン。」
主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
主あわれみ給え。
イエズス我らの祈りを聴き給え。▲イエズス我らの祈りを聴き容れ給え。
天主なる御父 ▲我らをあわれみ給え。
天主にして世のあがない主なる御子 ▲我らをあわれみ給え。
天主なる聖霊 ▲我らをあわれみ給え。
唯一の天主なる聖三位 ▲我らをあわれみ給え。
聖マリア▲罪人なる我らのための祈り給え。
カルメル山の聖母▲天の元后
カルメル山の聖母▲悪魔の克服者
カルメル山の聖母▲いとも潔白なる童貞
カルメル山の聖母▲いとも忠実なる浄配
カルメル山の聖母▲徳の全き模範
カルメル山の聖母▲希望の確かなる頼み手
カルメル山の聖母▲苦悩におけるよりどころ
カルメル山の聖母▲天主の賜物の分配者
カルメル山の聖母▲敵共に対する強き塔
カルメル山の聖母▲危難における助け
カルメル山の聖母▲イエズスへの道の導き手
カルメル山の聖母▲闇における光
カルメル山の聖母▲臨終における慰め
万力のうちに頑なになりし者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
御子を嘆かせし者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
苦悶にありし者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
回心を先延ばしにする者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
煉獄において苦しめる者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
御身を知らざる者らがために▲ああカルメルの聖母よ、我ら信頼もて御身に走せより奉る
世の罪を除き給う天主の子羊 ▲イエズス我らを赦し給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 ▲イエズス我らの祈りを聴き容れ給え。
世の罪を除き給う天主の子羊 ▲イエズス我らをあわれみ給え。
イエズス我らの祈りを聴き給え。 ▲イエズス我らの祈りを聴き容れ給え。
祈願
カルメルの聖母、栄光に満てし天使の元后、天主の人へのいとも感ぜらるる慈悲の仲介にして、罪人の擁護者よ、信頼もて我御身の御前にひれ伏し奉る。御身がわがために得させ給わんことを(沈黙のうちにここで願う)。
そのかわりとして、全ての試み、苦難、誘惑において依り頼み奉り、わが全力をあげて他の者を愛と御身への崇敬、かつ彼らの全ての困窮において御身を呼び奉る事に導き奉らん。
我御身の慈悲と力強きとりなしより受け奉りし、御身の計り知れぬ祝福に謝し奉る。これよりもわが危難における守り、わが全生涯における導きにして、臨終の慰めとなり給わんことを。 ▲アーメン。
1920年 アイルランド認可
数年前のこと、宣教師であったポルディング司教はオーストラリア内部の未踏の地の一部を回りました。
彼は途上で病に罹りましたがある善きやもめによって、称賛に値するほどの献身的な看護を受けました。
やがて健康を回復した司教は、一年のいかなる時、いかなる場所にあってでも、彼女に終油の秘蹟を授けるために、彼女の求めに応じて彼女のもとに戻る事を約束しました。
長年が過ぎ、一通の約束が果たされる事を願う手紙がこの司教のもとに届きました。
ためらいなく司教は旅に出ました。
日に日をついで旅行し、探しに行った家に辿り着くと、その家は既に空き家となっており、彼は非常に驚きました。
自身の為すべき事を熟考していた時、きこりの手斧の音に気がつきました。
そしてそこで一人のアイルランド人が木を倒しているのを見ました。
司教は若干の遅れを恐れながらも、その老婦人の事を彼から聴き、重い病によって霊的助けを見出す機会が去ってしまった事を知りました。
彼女を捜す事が全く役に立たない事を知って、司教は木の株に腰を下ろしてきこりに話しかけました。
「さて、わが善き人よ、私は何も為さずに戻るつもりはありませんので、ひざまずいて下さい。
私はあなたの聴罪を致しましょう。」
アイルランド人は弁解し、告解とその準備より長い間離れていた事を訴えましたが、その心は司教によってくつがえされ、ひざまずいたきこりはまことの告白をし、痛悔に次ぐ痛悔を為し、罪の聖なる赦しを得ました。
きこりは司教に、日曜日に最寄の教会に行って聖体拝領する事を約束しました。
司教が戻ろうとして少し離れたところ、重く鈍い音を聴き、急いで引き返すと、先ほどの悔悛者が木上から落下してうなだれているのを見つけました。
彼は話す事さえ出来ませんでしたが、告白は既にされていたので直ちに終油の秘蹟が執り行われ、救霊を得ました。
何が天主の驚くべき慈悲を得させ、この貧しき男に天の門を開かせんと数百キロも離れた場所に司教を招かせたのでしょうか?
アイルランド人のきこりは、常に聖母のスカプラリオを着用し、いずこにあっても彼女を決して忘れませんでした。
この善き聖母は公教会と司祭より遠く離れしとも、彼に心を配り、御自分の約束によりて、天主の御子に彼が仕方なく甘んじて身罷るべきを許されませんでした。
「誰であれ、生涯の間信心深くこれを着用して身罷る者は、永遠の火より守られるでしょう。」