聖霊への九日祈祷(ノベナ)

 

ある若い女性が誕生日に、母親から高価な美しいドレスを贈られました。
彼女は急いで部屋に入ってそれを着ると、非常に喜びました。
しかし突如その喜びは悲しみに変わり、母親に言いました。
「お母様、私はこのドレスを着る事が出来ません。私の霊魂の中の聖霊が喜ばれません。」

アルスの主任司祭聖ヴィアンネは言いました。
「聖霊なしに凡ては冷たく、従って我らが熱情を失っている事を感ずるならば、直ちに聖霊に九日祈祷(ノベナ)を始めなければならぬ。」

教皇レオ13世聖下は1897年5月9日の回勅において、「敬虔さを増し、聖霊に向けて燃やされ、殊に我々凡てが真理と聖徳の道を辿る聖寵を蒙る事を、我らはそれを真面目に望むのである。」と述べられました。

このノベナを聖霊降臨の祝日の準備として用いる場合は主の昇天の祝日の前の金曜日に始めます。
その他の場合は聖霊に対する信心として、任意の時に用いる事が出来ます。

<聖霊への九日祈祷(ノベナ)>

一日目

「天主の賜物なる聖霊、我御身を思うに心うちふるえ、感嘆にとらわれたり。
御身はわが優しき客人にして、わがうちにおけし天主の生命なるを覚ゆるに、我の感ずる深くしてこの上なき幸いをいかに申し得んや。
わが霊魂は御身を深く味わいて見奉るに、安楽と愛とに満たされり。
我御身の恩寵に驚き、世人の能う言と想いとを超えし御身の輝ける美を思わん。

我はまた聖寵、賜物、諸徳、実り、かつ全き幸いを汲み尽くすこと能わざる御身の富めしを思わん。
御身をわがうちに住まわせんと為す、御身の愛深き情けを思わん。
御身は凡てを持ち、凡てを為し得、我に凡てを与え給わんと欲し給えば、我を地上においていと卑しくなす貧しさにも関わらず、御身に心うちふるえ、感嘆し奉る。

我御身を賛美し、御身を拝し、御身に謝し、凡てを願い奉る。聖霊よ、我に凡てを与え給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

二日目

「主の霊、天の授け主、我いともつつしみて、熱き願いの限りを尽くし、御身の聖なる賜物、殊に知恵と考愛の賜物とを与え給わんことを御身に願い奉る。
霊魂の内なる師よ、それらの賜物の完全に育つまでに養育し給わんことを。
そは我の御身に対し正直にして従順、常に御身の賜物によりて、御身と三位一体との親しき甘美なる観想のうちに生くるためなり。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

三日目

「内的成聖の師なる聖霊、あらゆる真理に関わる知恵を与え、わが心に語り給え。
かつ聖母、殉教者、諸聖人の霊魂を育まれし如く、わが霊魂を育み、聖化し給わんことを、絶えず願い奉る。
我聖性を渇望せども、わが為ならず、師中の師たる御身と三位一体に光栄を帰し、公教会に栄光を与え、世人に範を示さんためなり。
聖性なくして人何事をも為し得ず、まことの使徒たるに、聖人となるより優れし方法はあらざれば、聖霊よ、わが祈りに御耳を傾け給いて、わが強き望みを聴き容れ給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

四日目

「真理にして幸いの光なる聖霊、御身は我らの者のうちの数多の者よりさほど知られず、忘却されしをも見、我深き悲しみを覚えたり。
我らは数多の世事にて心を散らし、世俗の精神をもって心を満たし、御身の申し出と心慮に無頓着にして御身を思わざれば、何たる忘恩なりしか。
我らはこの真理に生きず、これについて語る事もなく、この過ちの多くは我らの責なり。
天主なる聖霊、かくの程の嘆かわしき忘却の償いとして、かつわがため、司祭らのため、信徒らのための溢るる光の懇願としてわが貧しき心を受け入れ給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

五日目

「聖霊、御父と御子の愛と甘美、天主の聖性の花と芳しき香り、わが内に灯されし天主の火、わが心を新たになし給え。
凡ての汚れと暗黒とを取り除き給え。
凡ての清浄ならざるものを焼き尽くし、我を天主なる御子の御姿に似たものとなし給え。
我を聖化するために、わが内に私的に住まい給う火なる聖霊、この愛の火をわが内に灯し、御身の炎をもってわが霊魂凡てを浸して満たし給わんことを。

過ぎたる愛情を追い払い、世人の救霊のための行いに駆り立て給え。
炎となりて浄き永遠の愛で燃ゆる御恵みを我に与え給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

六日目

「主キリストのためには喜んで死ぬ力を殉教者らに賜いし力なる聖霊、わが内にこの天主の賜物をいと高く注ぎ賜え。
わが無気力と怠惰を揺り動かし、御身の光栄と凡ての兄弟の霊的及び物質的益のために犠牲や労苦を厭わず、御身の求められし凡てを始めんがために、我を強め賜え。
倦まず、始し事を断念せるの憂慮なく、熱誠もて続ける力を与え給え。
公教会を雄々しく擁せんがため、全き信仰と教皇聖下と司教らへのまことの従順を凡ての者の前に断ずるがため、我に勇と力とを与え給え。
使徒的活動において、人間を超えし進む力を与え給え。
いかなる霊肉の殉教を受けしとも、最後まで堅忍する御恵みを与え給え。
天主なる霊よ、我を御身の全能にて包みて、御身の力で支え、御身の敗れざる力強さで覆い給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

七日目

「真理と光の霊、光と炎の熱、幸いなる光よ、我を照らし、精神より誤りと疑惑の影を消し去り給え。
霊魂の内奥を全き輝きにて照らし、輝かせ給え。
我があらゆる誤りに常に抗い、公教会の御教えに基づきて、真理に全く従い、御身の栄光の輝きの内に歩まんことを。
御身の聖なる光をまといて、我が常に御身の真理と清浄なる御愛のうちに留まらんことを。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

八日目

「浄め給う霊よ、我をあらゆる汚れより浄め給え。
我を聖化し、イエズスの御徳、御意向、内的姿勢を我に与え給え。
わがうちにイエズスの霊そのものとなり給え。
御父の御子に対する御愛と同じ御愛もて、イエズスに対しわが心を燃やし給え。
御父が御自らの至愛なる、愛しき御子イエズスに対して為し給う如く、我をイエズスに引き寄せ給え。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

九日目

「聖なる霊よ、我及びわがもとに来る世人がため、要せる明光でわが精神を照らし、愛と力の御恵みにてわが弱き意志を支え給え。
天主なる成聖者よ、御身の招きに正直にして絶え間なき、堅忍の努力によりて聖性の頂に導き給え。
御身は聖性に在し、我は御身の全うの御業に与りて、わが内に御身の息づき給うべし。天主なる刷新者よ、凡てを新たにし、浄め聖に直し給え。
天主なる生命の与え主、わが霊魂中の霊魂よ、御身と共に天主なる御子を常に称え、常に賛美し、御子の栄光のために生き、御子の愛のうちに死ぬる力を与え給え。
天主なる与え主よ、天主の神秘の光のうちに天主を見奉らんがため、御身の賜物を与え給え。
そはあたかも我の既に天つ御国にあらんが如く、生命と事物のまことの価値を悟り、清浄なる愛によりて万人を愛さんがためなり。
御身に謝し奉る。 アーメン。

願わくは聖父と聖子と聖霊に栄えあらんことを。はじめにありし如く今もいつも世々にいたるまで。アーメン。

永遠の天主の霊よ、御身によりて我らの救世主の世に遣わされ給いたれば、御身に栄光、仕え、祝福のあらんことを。
かつ尽きざる愛によりて、我らを愛し給う、いと崇むべきイエズスの聖心に栄光とほまれのあらんことを。 アーメン。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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