聖ベネディクトのメダイ
聖ベネディクトのメダイは地獄の悪魔共に対する並外れた力を持つことで知られています。 聖ベネディクトは聖なる十字架と磔にせられ給いた我らの主に対し、深い尊敬を持っておられました。 聖ベネディクトのメダイは教会の秘蹟の一つであり、このメダイの価値と力は磔にせられ給うたキリストの御功徳によるもので、聖ベネディクトの特効ある祈願のため、公教会の祝福のため、信仰と聖なる意向のためにメダイが用いられます。 このメダイは聖なる公教会において最も免償を与えられたメダイです。 我らの主イエズス・キリスト、祝せられた童貞マリア、使徒方を含む諸聖人の御祝日において、メダイを携帯、もしくは着用し、異端の廃絶を求めて聖ベネディクトの御とりなしを求める場合、全免償、もしくは部分免償を得られます。 このメダイ、もしくは聖ベネディクトのメダイの十字架は必ず司祭に祝別されなければなりません。
このメダイを用いる意向 1.悪魔より起こる全ての危険より霊魂と肉身の両方の保護を得させます。
メダイの構成 <正面>(上部写真左) 中央には聖なる十字架と、会則などを記した書を手にされている聖ベネディクトの御姿が刻まれています。 外円の「Ejus in obitu nostro presentia muniamur.」は「臨終において、彼の御存在は我らを保護し給う。」という意味です。 聖人の向って左下には蛇の逃げ出している、聖人がかつて奇蹟的に回避された毒入り葡萄酒の杯があり、向って右下には毒入りパンを取り去ったカラスの姿があります。 またメダイの中には御足元に「EX S M Casino MDCCCLXXX」と刻まれているものがありますが、これは1880年に取得されたこのメダイ製造の特許を意味しています。
<裏面>(上部写真右) 円周内に聖なる十字架が配置されています。 水平の横文字「NDSMD」は「Non Draco Sit Mihi Dux.」の省略で、「龍をわが守りとさせじ」という意味です。 内円中の十字架を囲む「CSPB」は「Crux Sancti Patris Benedicti.」の省略で、正面のものと同じく「ベネディクト神父の聖十字架」という意味です。 外円の中央上部にある「PAX」は「平和」という意味です。 外円の左半周の「VRSNSMV」は「Vade retro Satana,nunquam suade mihi vena.」の省略で、「サタンよ去れ!汝の虚しき事物を我に提案するべからず」という意味です。 外円の右半周の「SMQLIVB」は「Sunt mala quae libas,ipse venena bibas.」の省略で、「汝の差し出す飲料は邪悪にして、その毒を汝自身が飲み干さん」という意味です。
記述によれば、教皇ベネディクト14世がこのメダイのデザインを確立され、1880年、聖ベネディクトの御生誕1400年を迎えた記念の為に製造されました。 このメダイは特に規定された使用法はなく、通常は着用するか、もしくは携帯する事になります。 また臨終において、メダイを着用、もしくは尊崇の念を持って接吻、もしくは両手に挟むならば、部分免償が得られます。
<歴史と聖ベネディクトの御出現>このメダイは宣教師達の手によって世界中の至る所に普及されました。 このメダイはまた労働中の婦人を助け、我々の生命を脅かす危険からの天主の保護を与える事で知られています。 最も昔、このメダイ以前の聖ベネディクトのメダイが広まったのは、後にベネディクト修道士となり、やがて教皇レオ9世となったブルーノ青年の奇跡的な治癒によるものでした。 ある日聖大ゲルトルードに対し聖ベネディクト御自身が御出現になり、この様に伝えられました。 「栄えある死を迎える為に私を認め、尊厳を持って主が私に与え給うたほまれと祝福と共に私を思い起す全ての者を、私は臨終において誠実に助け、その決定的な時間において全ての敵共の攻撃を阻むであろう。
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