聖ベネディクトのメダイ

 

聖ベネディクトのメダイは地獄の悪魔共に対する並外れた力を持つことで知られています。

聖ベネディクトは聖なる十字架と磔にせられ給いた我らの主に対し、深い尊敬を持っておられました。
聖人は十字架のしるしによって多くの奇跡を起こし、闇の霊共を超える大きな力を発揮されました。
聖グレゴリオは聖ベネディクトの行われた「十字架のしるし」が悪魔共の攻撃に対する特効があった事を語りました。

聖ベネディクトのメダイは教会の秘蹟の一つであり、このメダイの価値と力は磔にせられ給うたキリストの御功徳によるもので、聖ベネディクトの特効ある祈願のため、公教会の祝福のため、信仰と聖なる意向のためにメダイが用いられます。

このメダイは聖なる公教会において最も免償を与えられたメダイです。
ベネディクト会修道士によって祓魔時に用いられる時、メダイは嵐、毒、疫病、悪魔の軍団などに対する力を持ちます。
またメダイを用いる時は、必ず聖ベネディクトに対し御とりなしを求めなければなりません。

我らの主イエズス・キリスト、祝せられた童貞マリア、使徒方を含む諸聖人の御祝日において、メダイを携帯、もしくは着用し、異端の廃絶を求めて聖ベネディクトの御とりなしを求める場合、全免償、もしくは部分免償を得られます。

このメダイ、もしくは聖ベネディクトのメダイの十字架は必ず司祭に祝別されなければなりません。
それによって嵐、毒、疫病、悪魔の軍団に対してこのメダイを用いる際に聖人のとりなしを求める事が可能となります。

 

このメダイを用いる意向

1.悪魔より起こる全ての危険より霊魂と肉身の両方の保護を得させます。
2.メダイは罪人らに回心の力強い聖寵を得させます。
3.また悪霊に苦しめられる者のために、また聖なる貞潔に対する誘惑において保護と助けを得させます。
4.このメダイは臨終における助けを確保します。
5.このメダイはしばしば肉体的苦痛に対する特効ある癒し、伝染病からの保護を証明しました。
6.出産を控えた母親達は安産のための特別なる助けを得ました。
7.嵐の時、また陸上や海上での危険において保護が見出されました。
8.家畜が伝染病になった時にさえ、明確なる助けが得られました。

 

メダイの構成

<正面>

(上部写真左)

中央には聖なる十字架と、会則などを記した書を手にされている聖ベネディクトの御姿が刻まれています。
また円周内の聖人の左右に表記されている
Crux S.Patris Benedicti.は「ベネディクト神父の聖十字架」という意味です。

外円のEjus in obitu nostro presentia muniamur.は「臨終において、彼の御存在は我らを保護し給う。」という意味です。

聖人の向って左下には蛇の逃げ出している、聖人がかつて奇蹟的に回避された毒入り葡萄酒の杯があり、向って右下には毒入りパンを取り去ったカラスの姿があります。

またメダイの中には御足元にEX S M Casino MDCCCLXXXと刻まれているものがありますが、これは1880年に取得されたこのメダイ製造の特許を意味しています。

 

<裏面>

(上部写真右)

円周内に聖なる十字架が配置されています。
十字架内部の垂直の縦文字
CSSMLCrux Sacra Sit Mihi Lux.の省略で、「聖十字架はわがための光とならん。」という意味です。

水平の横文字NDSMDNon Draco Sit Mihi Dux.の省略で、「龍をわが守りとさせじ」という意味です。

内円中の十字架を囲むCSPBCrux Sancti Patris Benedicti.の省略で、正面のものと同じく「ベネディクト神父の聖十字架」という意味です。

外円の中央上部にあるPAXは「平和」という意味です。

外円の左半周のVRSNSMVVade retro Satana,nunquam suade mihi vena.の省略で、「サタンよ去れ!汝の虚しき事物を我に提案するべからず」という意味です。

外円の右半周のSMQLIVBSunt mala quae libas,ipse venena bibas.の省略で、「汝の差し出す飲料は邪悪にして、その毒を汝自身が飲み干さん」という意味です。

 

 

記述によれば、教皇ベネディクト14世がこのメダイのデザインを確立され、1880年、聖ベネディクトの御生誕1400年を迎えた記念の為に製造されました。
モンテ・カッシーノ大修道院はこのメダイ製造の特許を得ています。

このメダイは特に規定された使用法はなく、通常は着用するか、もしくは携帯する事になります。
またしばしば天主と聖ベネディクトの御祝福を呼び求め奉るために、家屋の土台や自動車などにも置かれます。
このメダイを習慣的に着用する者は、モンテ・カッシーノの聖ベネディクトの聖堂、納骨堂、塔を巡礼する事により全免償が得られます。

また臨終において、メダイを着用、もしくは尊崇の念を持って接吻、もしくは両手に挟むならば、部分免償が得られます。

 

 

<歴史と聖ベネディクトの御出現>

このメダイは宣教師達の手によって世界中の至る所に普及されました。
メダイはとりわけ臨終における罪人の回心と、また良き聖なる死を得させます。

このメダイはまた労働中の婦人を助け、我々の生命を脅かす危険からの天主の保護を与える事で知られています。

最も昔、このメダイ以前の聖ベネディクトのメダイが広まったのは、後にベネディクト修道士となり、やがて教皇レオ9世となったブルーノ青年の奇跡的な治癒によるものでした。
教皇は常に聖ベネディクトを良き死の保護者として呼び求めました。

ある日聖大ゲルトルードに対し聖ベネディクト御自身が御出現になり、この様に伝えられました。

「栄えある死を迎える為に私を認め、尊厳を持って主が私に与え給うたほまれと祝福と共に私を思い起す全ての者を、私は臨終において誠実に助け、その決定的な時間において全ての敵共の攻撃を阻むであろう。
霊魂は私の存在によって保護され、敵共の攻撃に関わらず静けさを保ち、幸福に永遠の福楽に向けて出発するであろう。」

<聖ベネディクトの御とりなし>

聖ベネディクトの御生涯は天主への力強き、全き抱擁の愛によって特徴づけられます。
聖人の穏やかにして揺るがざる、祈りを基とした生活への捧げは、天主の御摂理における聖人の全き真理への証でありました。
祈りによりて聖人は御自らを天主の御恵みの働きへと上げられ、御恵みによって天主は、困窮の者に対する慈悲ある心配りにおけし天主御自らの御道具として聖ベネディクトを用いられました。

この聖ベネディクトのメダイは、聖人の御生涯におけし修練の諸徳の耐久を思い起こさせる働きを為します。

このメダイは、絶えざる祈りの意向、天主への信頼、富みし慈悲によってしるしづけられた御生涯への外側の、そして具体的なる個人の内的な誓いです。

このメダイの正統な使用はまた、キリスト信者の信仰の表明であり、また聖ベネディクトが死去されてもなお、地上の公教会に対し有効に関わり、働きかけられ、このメダイを着用する者に対し、今日も聖人の祈りに満ちた御とりなしが存在するという事の表明でもあります。

 

 

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