1246年に帰天せし 聖ルトゲルドの天の宮廷

 

Nihil Obstat
Imprimatur
教会認可


聖ルトゲルドがある日、天主に、全ての祈りの中で、最も主を御喜ばせする方法を示して下さるように、心より嘆願し、非常に美しき祈りが、聖女に吹き込まれました。
それは、キリストの御生涯と御苦しみの全体より構成され、直ちに聖女の記憶は、最も大いなる信心を繰り返すほどに、正確にそれを保ちました。
聖なる童貞マリアは御自ら聖女の為に、この祈りにおける聖寵を願われたことを、聖女に語られました。

この祈りは、ムーソス神父によって記録されました。

 

「ああ、万聖にして、全く慈悲深き救世主、一切の聖寵の源にして、我らのいと優しきイエズスよ。
みじめなるエワの子なる我らへの解知を超えし御愛より、御身は天の御父の御右手の御座を離れ、御自らを我らの無力と貧しさとで
覆わるるを望み給いたり。

否、御身への愛に取り戻さんと、我らを得らるる為がより確かなり。
御身は御自らを、一切衆生を超えて無力にして貧しき者となし給い、
あり得ざるほどの苦労は、悪しき敵どもより我らを救い、我らを天の御父の子とせんがために、惜しみ給わざるものなり。

我は今なお、地上に価値を有せぬ、哀れなる虫けらなるを深く嘆き、
御身の御愛のあまりあるをわずかのみ解し、わが為に耐え給いし、困難、苦痛、殉教の一切に、かくの如き貧しき感謝を捧げ奉る。

かくして今、御身のいと聖なる一生と、御苦しみと御死去、迷いたる罪深き世人の救霊の為に、御身が地上で過ごし給いし全ての年、日、時刻に光栄を帰し奉らんがための、このわがふさわしからざる祈りを御身に捧げ奉る。

我はまた御身に、わが心底より、聖なる天使の九つの級と、げに全被造物の、今なお生み出されし、創造の最初の瞬間と、無原罪の御宿りのまさにその日より、いと大いにして、あたう限りの愛と信心をもて、いとも祝せられし童貞マリアによりて為されし一切の行いの、感謝と愛と賛美の一切の数限りなき行いをも、御身に捧げ奉る。

そして、御身への感謝のこれらの行いを、御身がわがために為し給いし一切の完全性に捧げ奉らん。」

 

1天主の御母とならせ給う為に、いと聖なる童貞マリアを全き永遠より選び給いしゆえに。

2彼女の無原罪の御宿り、原罪と、御宿りと御生まれの際に他の一切の滅びるべきもののあらゆるしみより守られしゆえに。

3御身の無原罪の御母のいとも潔白なる御誕生に、遍く世の上に、光を降り注ぎ、天つ御国に喜びを呼び起こしたるがゆえに。

4大天使ガブリエルによりて告げられし、御身の選ばれし御母の、純潔なる御胎内に、聖霊の御力によりて、御自らのものとして
宿られし不可思議のゆえに。

5御身の聖なる御母のいと清浄なる御胎内のうちに隠れられし内に御身の受けられし最初の旅ゆえに。
いとこエリザベト、御身のされし如くにまた隠れし彼女の子ヨハネの為に旅はいくつもの丘を越え給いたり。

6大いなる清貧のうちに世に降り給いし御身の聖なる御降誕、聖頭を置く枕も、御身の柔らかき御手足を温め守るための
衣さえもなく、感ずる事あたわざる獣の中に、馬屋に生まれ給いしゆえに。


8我らのためと、モーゼの律法への慎ましき服従のために、御割礼にて御身が最初に御血を流し給いたるがゆえに。


9モーゼの律法に従い給いて、御身の祝せられし御母によりて、エルサレムの神殿におけし、御身のいと聖なる奉献によりて。

10御身の御幼年からさえ始まりし激しき迫害と、天主を信ぜざるエジプトの地へと追いやられ、長きに渡りて、御身がそこに留め置かれしがゆえに。

11御身のいと愛し給う御母の御身を探し給い、神殿の中に博士らの中心に御身を喜びに満ちて見られ、後に御身を見つけ給いし為の、苦き悲しみと御心痛を伴いし三日間ゆえに。

12御身がナザレにて、慎ましき子としての奉仕のあらゆる仕方において、マリアとヨゼフに示されし服従のゆえに。


13御身の全ての御教えと説教のため、御身の容易ならざる危うき旅路のため、殊に我らの救霊のために御身の経られし
全ての御疲労と御労苦のゆえに。

14御身のいと聖なる40日間の断食と、荒野におけし絶え間なき熱祷のゆえに。

15御身の大いにして栄光ある奇跡が、頑ななるユデア人を納得させるために働きたるがゆえに。

16ゲッセマネの園におけし御身の苦悶に満てし祈りと血の汗、死去への身震いと御悲しみの時、御身が御父の御旨に全く委ねられしゆえに。

17不信のユダによる偽りの接吻が、御身を裏切りて、御身を悪しき者共の手に委ねしがゆえに。

18御身の悪名高き捕え人の、苦痛なる一行と、容赦なき縛めゆえに。

19アンナスとカイアファ、ピラトとヘロデの前にて、御身のいと聖なる御人性に対してもたらされしあまたの濡れ衣のために。

20他の者どもに、御身が一人の不義なる者より不名誉に引き出されし時、御身につがわせられし、いと御心痛に満てし処遇ゆえに。

21祭司長のしもべ共より、御身のいと聖なる聖顔に受けられし冒辱的な打撃よりも悪しく、冷酷なる事ゆえに。

22御身のいと聖なる御肉身の各部が、執行人の鞭と責めによりて引き裂かれし時、おびただしく、いとも苦しみに満ちて、御血を流し
給いしゆえに。

23御身の御衣の大部が御身より破れ落ち、裸となり、激しき恥辱をおわされ、全ての群集の前に柱に縛められしゆえに。


24天主を持たざるユデア人の聖顔への嘲りによる、侮蔑、嘲笑、模したる膝を折りての拝礼ゆえに。

25聖顔に、いと尊き御血を下らせる事となりし、茨の冠を聖頭に鋭く押し付けられしゆえに。

26おのが感嘆によりて、この者を見よと、大衆を同情に向かせん
と試みしピラトの前の、御身の痛ましき御様子ゆえに。

27ピラトによりて、御身に御身に宣告されし言葉、御身を死に引き渡す方法と、十字架の酷き重みゆえに。

28御悲しみに襲われし御母と、カルワリオの小路で御身に続きて、あわれみの涙を流したる聖なる婦人らとの、悲しみに満てし御対面ゆえに。


29御身の御傷を新たにせんがための、痛みある御衣の引き剥がしと、十字架の木への無慈悲なる釘づけ、かつ十字架上にて語り給いし、計り知れざる価値を有せし全ての御言葉と、御身の御霊の最終の委ねゆえに。


30御身の御母と、弟子と使徒、後に数多の者に現れ給いし、御苦しみの三日の後の栄えある御復活ゆえに。


31地上のちくたくを終え、世とサタンとに大いに勝利し給いて、天つ御国への驚くべき昇天と、御身の天の御父のもとへの栄えある御帰還ゆえに。

32御身の弟子らに聖霊が、驚くべき燃え盛る火の如くに下り給い、使徒と御身の愛し給える御母の聖霊降臨の聖火ゆえに。

33御身が、御身の愛し給える御母を、霊肉共に天つ御国に着かせられし時、御身の祝われし壮麗なる勝利ゆえに。

34御父と聖霊との結びつきの内に、全ての天使の歌隊を超えて、
御身のいと栄えある御母が高められ、天の元后として冠を授けられ給いし祝祭ゆえに。



「これらの一切がゆえに、そして殊に、御身の愛の全ての行いと、御身の御心臓の全ての鼓動、現世の間に御身の捧げ給いし、
無言と声ある全ての祈りと、今なお祭壇の上にていと聖なる御聖体の内にて捧げ給う祈りゆえに、そしてこれらの全てゆえに、
我は千の感謝を御身に供し奉り、いとつつしんで、我と、わが祈りに己を委ぬる全ての者、或は我が祈るべき者に、我らの罪に対する完全なる痛悔と、再び天帝に決して背く事あるまじとの
堅き決心とを、最終の忍耐の聖寵と共に、与え給わんことを願い奉る。」

 

「我ともろ人がここにて御身の聖寵を喜び、この万苦の一生の後は、御身の選び給いし群れに受け入れられ、永遠の福楽の源、ああそれはいと愛する主、御身のみなれば、それに彼らと共に結ばれんことを。

そして我らがついに、御父と聖霊と共に世々に生き、かつしろしめし給う天主なる、御身のいと聖なる聖顔を仰ぎ見奉るを許されんことを。アーメン。」

 

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