天主の光明を受ける祈り

教会認可

 

聖大ゲルトルード童貞は四旬節の後、しばしばこれらの言葉を唱えました。

「ああ、いとも優れし、全ての王の中の王、ああ秀でし王子よ!」
これと共に、他の似通った語を入れました。

ある朝、聖女のいつも祈りを捧げる場所で、聖女は次のように唱えました。

「ああいと愛する主よ、頻繁に自ずと、私の心と唇に置かれるこれらの言葉によって、私が何を致すのを御望みであられましょうか?」

我らの主は聖女に、御手より四つの部分よりなる金色を示されましたが、聖女は四つの部分の意味がわかりませんでした。

主は聖女の心のうちに、第一の部分がキリストの神性の現存、第二がキリストの御霊、第三が御血で養われし全ての全ての信心深き者の霊魂、第四が、キリストの無原罪にして潔白なるキリストの御体でした。

分かつ事の出来ぬ愛を示される為に、救世主のが御自らの霊肉に信心深き霊魂を一致せしめるため、キリストの御霊と御体の間にあって、聖女はなぜ信心深き者の霊魂が、この色の中に置かれているかを理解しました。

そして突然に、この色の中での大いなる喜びのうちに、次の言葉が湧き上がりました。

 

祈願

「御身はわが霊魂の生命なり。
わが心の望みのことごとくが御身に、御身の燃ゆる愛に一致せんことを。
それらが、衰え、死せんとするならば、それらを御身より離れしあらゆる的に向かわせ給え。

御身は一切の色彩の中の美にましまして、全ての味覚の中の甘美、全ての香りの中の芳香、全ての音の中の調和、全ての抱擁の中の魅了なり。
御身の力強き引力によりて、御身に引き寄せられし全ての者、御身によりて愛の甘美なる感化を受けし全ての者に、御身のうちに、大いなる喜びの陶酔、御身より、外に溢れいずる愛の奔流あり。

ああ、全ての王よりも大いなる王、いと高き帝、 至高の王子、平安に満てし統治者、誠実なる保護者よ。
御身はいと尊貴なる情感を備え給う、人性の尊貴なる生けし宝玉なり。
御身は豊かなる業の働き手にして、豊かなる慈悲の主、豊かなる知恵の助言者にして、豊かなる優しさある保護者、いと信心深き者の友なり。

御身は、一切の喜びなる、甘美なる救世主なり。
ああ、触れし者に癒しを与え給う、柔和なる保護者よ。
ああ、熱く愛し奉る御者、甘美にして貞潔なる伴侶よ。
御身は、変わらざる美の、春の湧き水なり。
ああ愛する兄弟、美しき若者、喜びに満てし同行者、寛大なる総帥、注意深き司官よ。

我は御身を、一切の被造物よりも愛し、御身に全ての喜びを打ち捨て、御身の為にあらゆる逆境を求め、これら全てを、ただ御身の栄光の為にのみ、望み奉らん。

御身はよろずの善徳をよみがえらし給う御者なるを、わが心と唇は証たり。
御身の愛の御功徳、御身の祈りの御徳へのわが信心の熱誠によりて一致し奉り、
かくして、この天主の一致の御力によりて、我がいと高き完徳に挙げられ、わが内にありし抗いの動きの鎮まらんことを。」

 

これらの言葉は全て、いくつにも分かれて金色に輝く石の如くに見えました。
次の日曜日に、聖女は聖祭のエウカリストを手伝いましたが、多大な信心をもってこの祈りを繰り返し、これを我らの主が喜ばれておられるのに気づきました。

聖女は主に語りました。

「ああいと愛する主よ、私は御身に、これらの言葉を嘉納されし事に気づいております。
私は、鐘の尊き色として、私が御身に信心深くこれを捧げる事が出来るように、多くの者達が出来ますよう、御身に進言致します。」

我らの主は答えられました。

「誰も私に、私のものを与える事は出来ないが、いかなる者であれ、これを信心深く唱える者は、私における知の増大を感じ、これらの語の験によりて降り注がれる、わが天主の光明を受け取るであろう。
ちょうど、磨かれた金属の板を持って太陽を見、その光の反射を引きこむ如くである。」

 

聖女は、これらの語の験を直ちに感じ取りました。
そしてすぐにこの祈りを繰り返し、自らの霊魂の面が天主の光明を放つのに気づき、そして天主の御事の喜びと甘美の増大を感じました。

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