聖アントニオ:水夫、旅行者、漁師の保護者

ポルトガル、イタリア、フランスとスペインでは、聖アントニオは水夫と漁師の保護者とされています。
ワイザー神父によると、聖人の御像はしばしば船のマストの祭壇の上に置かれ、聖人が彼らの祈りに速やかに応じ給わないならば、水夫は聖人に向かって叱ります。

航海する者のみならず、他の旅行者らも聖人のとりなしによる無事を祈ります。

幾つかの伝承は、聖人を旅行者や水夫とを関連付けます。

一つはモロッコへの重要な、聖人の御自身の聖福音の宣教の旅であり、これは重い病によって途中で打ち切られましたが、回復後に欧州に戻り、常に良く福音宣教を行われました。

また別の伝承では、聖母の礼拝堂への巡礼を望んだが道行きを知らなかった二人のフランシスコ会の修女に、一人の若者が道案内を申し出たと言われます。
巡礼から戻ると、一人はその道案内の青年は、彼らの保護者である聖アントニオであったと公表しました。

更に別の話しでは、1647年にパドヴァのエラスティス・ビッラーニ神父がアムステルダムからイタリアに船での帰国の途上で、大嵐に遭いました。
乗客全員の命が失われようとする中、神父は全員に聖アントニオに祈るように励まし、激しく上下に揺れる海に聖アントニオの聖遺物に触れた小さな布を投じました。
嵐は直ちに静まり、風は止まり、海は穏やかになったと伝えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system