1247年イタリアのトスカーナの農夫の娘に生まれる。7歳の時に母を亡くし、継母に疎まれた聖女は若い貴族と共に家出しその後9年間男の情婦として生き、息子を出産した。
1274年に男が山賊に殺害され、これを天主からのしるしと考えた聖女は実家に戻ろうとするが受け入れられず、聖女と子息はコルトナのフランシスコ会に保護された。
若く魅力的な聖女は度々誘惑に抵抗することに苦しみ、その闘いは深い自己嫌悪の期間によって続いた。
自己の魅力を失わせるため、一度は自らの身体の一部を切断しようと試みたが修道士によって止められた。
その後は注意深き生活を送り、病者や貧者に対し見返りを求めずに働き、度々助言や助けを求められた。
そしてフランシスコ会第3会員となり深い祈りの生活を送り、主イエズスからの啓示を受けるようになった。
1286年には以前の様に働く許可を受け、またコルトナで病院を設立した。
また御聖体と御受難への偉大な信心を発展させ、自らの死の日付も預言していた。
貧者や病者のために働く聖女の初期の生活の中では中傷が続いた。またその後も常に噂の標的となっていた。
1297年2月22日帰天。1728年教皇ベネディクト13世によって列聖。
祝日2月22日。
誘惑から、精神的な病、家の無き者、性的な誘惑から、偽証された者の保護者。
「愛する娘よ、あなたが私を喜ばせたいならば、養父である聖ヨゼフに対して一日たりとも犠牲をしない日がないように。」
「私は罪人のためのかがみをあなたで作ったのである。
彼らを救うために私がどれほど進んであわれみ深いかを、あなたより最も堅固に学ぶであろう。
彼らがあなたの見本によって私のもとに来るためであり、あなたは罪人のための梯子である。
わが娘よ、私は闇における光としてあなたを定めたのである。
盲人に光を与えるため、道を見失った者に再び戻る導きのため、そして彼らの罪の下で挫折した者を引き上げるための私が世に与える新星としてである。
あなたはあわれみの知らせ、望みを失った者の道である。」
「あなたの聴罪司祭はあなたの言葉と涙によって回心した多くの男女を彼に送ることを禁止した。
彼は一日の中でこれほど多くの集団を浄めることは出来ないとあなたに語った。
彼に言いなさい。
彼が告白を聴く時、彼が集団を浄めるのではなく、彼が私のために痛悔者の霊魂の中に住まいを準備するのであると。」
「ああコルトナの聖マルガリタよ、我御身にいくども語りかけられ給うたこのイエズスの十字架に磔にせられ給いたる御像の御前にあらん。
主の御言葉、祈願、生涯における事象によりて主の御声を聴き奉る聖寵を我にもまた得させ給え。
ああ十字架に磔にせられ給いしイエズス、わが信仰を弥増し給い、聖マルガリタに与え給いしが如く、我にもまた我が罪からのまことの痛悔の聖寵を与え給え。
いとも貧しき者に我を一致させ、伴わせ給わんことを、我御身に、御父の御住まいに願い奉る。アーメン。」
「ああコルトナの聖マルガリタ、慈悲及び善の崇高なる模範よ。御身は殊にイエズスを愛し給い、主は数多の特権もて御身を富ませ給えば、わが多くの必要における助けをこいねがい奉り、殊に天主より恩寵を得られ給わんよう、御身の御とりなしを求め奉る。(ここで願う)
わが悲哀をあわれみ給え。わが全信頼及び望みを御身に置き奉る。親愛なる聖マルガリタよ、御身は現世においてイエズスより殊の外祝せられ給えば、御身の力強き御とりなしによりて我を助け給い、イエズス・キリストのまことの信者として地上に生くるを得させ、かつ天国においては主と共に与えらるる幸福を所有し奉らんことを聴き容れ給え。 アーメン。」
このチャプレットは一般のロザリオを用いて祈られます。
まず始めに十字架で「十字架上のイエズスに向かう祈り」を唱えます。
「仁慈にしていとも甘美なるイエズス、我御前にひざまづき、ひれ伏し奉る。
預言者ダヴィドが主につきて、"彼らはわが手わが足を貫き、ことごとく数えたり"と言いし御有様を今日前に見奉りつつ、心の大いなる愛情と苦痛とを持って、主の五つの御傷をひたすら眺め、かつ心にて思いめぐらし奉る。
信、望、愛の烈しき感情と、わが罪のまことの痛悔と、これを改むる最も固き決心とを、わが心にしみ徹らせ給わんことをひとえに願い奉る。」
最初の大珠において、主の五つの聖なる御傷を黙想し奉りつつ祈ります。
「ああ天主よ、我御身を怒らせし事を心から悔やみ奉り、我天つ御国を害せしと、地獄の苦痛を恐るるがゆえに、わが全ての罪を憎み奉らん。
されども彼らの御身を怒らせしがゆえ、まず、わが天主よ、御身は全善に在しまして、わが全き愛に相応しかりし御者なれば、御身の聖寵の御助けもてわが罪を悔い、償いを行い、わが生を改むるを固く決心し奉る。アーメン。」
続く3つの小珠で聖家族に光栄を帰し奉るために「主祷文」を唱えます。
各大珠で祈ります。
この祈願は聖人が彼女の母より教えられたものです。
「ああ主イエズスよ、御身が我に祈らせし全ての者の救霊を与え給わんことを、御身にこいねがい奉る。」
各小珠で祈ります。
「わが甘美なるイエズスよ、我らを憐れみ給え。」
このチャプレットのしめくくりに次の祈りを唱えます。
「ああ親愛なるコルトナの聖マルガリタよ、わがために祈り給いて、かくして我また、我らの甘美なる主イエズスに、"我探し求め奉らず、何事かのために望み奉らずして、されど御身、わが主イエズスよ。"と述ぶる勇ましさの得られんことを。
御身の絶えざる御とりなしによりて、我を罪の影響より守り給いて、かつキリスト、我らの主へのまことの道の歩みを助け給え。 アーメン。
コルトナの聖マルガリタよ、わがために祈り給え。 アーメン。」
ある日、コルトナの聖マルガリタが罪人達の回心のための祈りを捧げていると、主が聖女に対し、御心が罪人の回心さえも望まず、常に赦しを与える用意がある事を伝えられました。
主は言われました。
「私は彼らの助けのためにわが天使さえも遣わし、罪の道を捨て去る励ましの繰り返しによって、彼らに促すのである。」
聖女は主に、罪人の冒涜の傍らにありて、絶え間なく潔白なる精神を想起させられましょうか、と尋ねました。
主は答えられました。
「彼らは常にその臨在を感ぜぬとも、彼らの心は立ち返りの招来に、再三呼びかけられているのである。
ただ天主の御座の審判にてのみ、悔い改めざる罪人を永久に見放すのである。」
これらの啓示の後に、昔の亡き情夫に、聖女の守護の天使が諭された事を省みさせられ、聖女はさめざめと泣きました。
我らの主は聖女を慰められ、かつての忘恩の事は今は忘れ去り、聖女の守護の天使が今は救霊の道に聖女を導き、聖女の諸惑を解き、誘いより守り、苦悩において力づけている事を伝えられました。
ある日、悪霊が聖女を脅すために、聖女の前に出現しました。
しかしその瞬間に守護の天使もまた現れて、このように言いました。
「恐れるな、わが娘よ。そして勇気を失わせてはならない。
悪魔は、足元に踏みつけられる己の征服者、その御者よりもあなたを砕く力が無いのである。
私はあなたと共にある……私は天主の高貴なる御住まいである、あなたの霊魂の守護の天使である。」
<Raccolta564 祈願>
「ああ、いとも栄えある聖マリガリタ、全能の天主の、いと大いなる御愛もて、御身にとりつける地獄の敵の手より引き出されし、まことの真珠よ。
驚くべき回心、聖なる生活、いと尊き死の御事を為さしめ給わんと、彼は罪の赦しに、よろずのみじめなる罪人を動かし、善を為さしめ、あらゆる罪の機会と等しき悪を退け給う。
天つ御国におけし、御身の尊貴なる御位より、御身の忠実なる依り頼み手なる我らの為に、御身を高みに上げたる、御身の御涙とつぐのいの為の地に、我らの罪の真の嘆きと、心よりのつぐのいの聖寵を我らに得させ給いて、御身の如き聖なる生活を送りし後は、十字架にはりつけにせられしイエズス・キリストの御愛のうちに、幸いなる死と、楽園におけし栄光の冠の御恵みを与え給わんことを。アーメン。」
「主祷文」 「天使祝詞」 「栄唱」を各一回唱えます。
300日の免償。
(1897年1月12日 聖座認可)