アトカの聖なる幼な子

 

アトカの聖なる幼な子への信心は、スペインから始まりました。
中世の時代に、ムーア人は広大なる領域を占拠し、キリスト信者とムーア人の間の戦いはごく普通でありました。
ある時ムーア人はアトカの町を襲い、幾度かの戦いの後に勝利を得たムーア人は非常に数多くのキリスト教徒を囚人にし、村人が囚人にされた者に食物や水を彼らに与える事のみならず、訪問する事さえも許しませんでした。
囚人とされた人々の命を気づかい、恐れを抱いた彼らの家族は熱く彼らの救いを求めて祈りを捧げました。

ある日、捕囚の身となった彼らのもとに一人の子供が現れました。
子供はつばつきの帽子をかぶり、青い巡礼者の衣服を着ていました。
そして、一かごの食物と水の入ったヒョウタンを彼らに運びました。
ムーア人はその子供が毎日食物と水を持ってくるのを許しました。
囚人達がどれほど飲食をしても、バスケットとヒョウタンは満杯のままでした。

その子供はキリスト信者も、またムーア人も知らぬ子供であり、人々は巡礼者に扮し給うた幼な子キリストが彼らの救いに来たり給うたと結論しました。

この聖なる幼な子に対しては癒しを求めて祈られる事が多く、その聖地への巡礼者は子供用の靴を捧げます。
この聖なる幼な子が、夜間ひそかに病める子らを訪れて癒し給うという伝承の故です。

 

<祈願>

「イエズスよ、アトカの聖なる幼な子の称号のもとに捕らわれ人をパンにて養い給えば、御聖体における御現存の御力によりて、我らを絶えず支え給え。
"わが与えしパンは世に生命を与うるためのわが肉なり"。」

 

<祈願U>

「アトカの聖なる幼な子よ、全人類の公たる保護者、傷つきし者の強さ、全ての病める者の天医なる力強き幼な子よ、我は御身に御礼を為し奉り、
三つの主祷文と、天使祝詞と栄唱とを御身に捧げ奉る。

この日の御身への記念のうちに、わが請願を聴き容れ給わんことを、御身に願い奉る。
アトカのいと聖なる幼な子よ、心を挙げて願い祈り奉れば、わが望みの砕かるる事のなからざらしめ給え。

平安を見出し、我がベトレヘムの御国のうちに、御身に一致し奉らん時は、御身が我と共に在しますを確信せんことを。アーメン。」

「主祷文」「天使祝詞」「栄唱」
を各三回唱えます。

 

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