〜足跡〜

 

ある夜、彼は主と共になぎさを歩く夢を見た。

目の前には彼の人生のいくつもの光景が浮かび、そこでは砂に二人の足跡があることに気がついた。

彼はまた人生の最も辛い悲しみの時に、一人の足跡しかないことに気がついた。

彼はこのことで悩み、主にたずねた。

「あなたはもし私の心をお与えしましたなら、すべての道において私と共にいて下さるとお約束下さったではありませんか?

それなのに私の最も辛い時に、なぜ一人の足跡しかないのですか?」

主は優しく答えられた。

「私の大切な子よ、私はあなたを愛しているのだから決してあなたを見捨てたりはしない。

試みや苦しみの時の間、一人の足跡のみがあるのは、私があなたを背負っていたのである。」

 

1964年 マーガレット.F.パワーズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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