聖アルフォンソ・リゴリオの「天使祝詞」の信心

 

これは童貞マリアを最も御喜ばせする天使の御挨拶である。マリアがこれを聞かれる度に、マリアへのガブリエルの告知の御喜びの記念を新たにされるのである。このため、我々はしばしば「天使祝詞」をもってマリアに御挨拶申し上げるべきである。

「天使祝詞」を唱えるこの信心の実践には6つの道理がある。まず第一に、我々は3回の「天使祝詞」を起床時と就寝前に唱えるのである。我々はまたこれに「天使祝詞」の呼祷を加えることも出来る。「マリアよ、御身の無原罪の御宿りによりて、わが身体を潔白ならしめ、わが霊魂を聖ならしめ給え。」

第二に、我々は朝、昼、そして夕べの「御告げの祈り」と共に「天使祝詞」を祈ることが出来るのである。

第三に、我々は常に時計を見ながら、「天使祝詞」をもって天主の御母に光栄を帰することが出来るのである。

第四に、我が家に出入りする際に、マリアの御保護が我らに及ばんがために「天使祝詞」を唱えることが出来るのである。

第五に、我々が御母の御像もしくは御絵を見奉る度に、「天使祝詞」を唱えることが出来るのである。またこの目的の為に、もし可能ならば我々は我が家に御母の御絵を持つべきである。

第六に、我々は「天使祝詞」と共に日々の計画を始め、終える習慣を得ることが出来るのである。

<聖アルフォンソ・リゴリオの祈り>

「ああマリアよ、私の希望よ、罪によってしばしば地獄の奴隷となったあわれな罪人である私は、御身の御足元にひれ伏し奉る。

私が悪魔に負けたのは、私のよりどころである御身に依り頼まなかった為である。もしも常に御身に依り頼み、御身の御名を呼んで助けを求めていたならば、私は決して罪に陥ることはなかったに違いないのである。

ああ私の愛すべき元后よ、私は御身のおかげによって、もはやサタンの奴隷であることを免れ、神の御赦しを受けたと信じている。しかし私は他日、再び地獄の鎖に縛られることがあるのではないかと恐れるのである。敵共は、復讐の希望を捨てず、新たな攻撃と新たな誘惑とを準備している。ああ私の元后、私の依り所よ、私を助け給え。私を御身のマントのかげに隠し給え。私が再び彼らの奴隷となることを許し給うな。

私はもし、いつも御身に祈るならば、御身は常に私を助け、私に勝利を与えて下さる事を知っている。しかし私が恐れるのは誘惑の時に御身のことを考え、御身に祈ることを忘れるのではないかということである。されば、ああいと清き童貞よ、私が御身に願い御身に求める恩恵は、いつも、特に戦いの時、御身について考えることである。”ああマリアよ、私を助け給え。ああマリアよ、私を救い給え。”と唱えながら、絶えず御身に依り頼む恵みを与え給え。

そしていよいよ死が訪れて、地獄に対する最後の戦いをする時、ああ至愛なる元后よ、いつの日よりも強き力をもって私を助け給え。私をして更にしばしば御身の御名を呼ばしめ給え。くちびるをもって呼びえない時は、せめて心をもって呼ばしめ給え。願わくは、御身のやさしき御名と、御子の聖名とを唱えながら息絶えて天国に昇り、世々御足元にあって、御身を祝福し、御身を賛美せしめ給え。 アーメン。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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