捨身の行い

 

我らの主は聖大ゲルトルードに対し、何事よりも崇むべき天主の御旨に完全に己を委ねる堅信を致す者は、
その憂慮する霊肉のうちに、いと分別ある聖心に触るる事を完全に満たすのであり、かくの如き完全なる捨身は
天主の大権の知と、地上の王が冠を頂くのと同じほどの誉れをその者に与えられる事を啓示された。

 

祈願

「ああ至聖なる御父よ、我は御身のみじめにして卑しき被造物なれば、わが意思を完全に服従させ、捧げ、
御身の至聖なる御旨と御喜びのためにおのが身を捨身し奉らん。
世俗の一切の楽しみを超え、御身のいと崇むべき、いと静けき御旨がわがうちに、わが霊肉、現世と来世において
我にまつわりたる一切のうちに、我によりて完全に行われんことを。
このためにはわが肉身の一切の構成物をも、あらゆる種類と程度の苦しみへと直ちに差し出し奉らん。

ああわが天主よ、御身は我が望み願ううちに、いと完全なる選択を与え給い、万事におけるわが嘆願を与え給うを、
御自ら我に誓い給いたれば、御身のいと崇むべき御旨が我と御身の一切の被造物のうちに完全に行わるるよりもなお望み願うものなし、
御身の至高にして誤りなき善喜に一致し、
従いてオリベトの園にて御旨に御自らを完全に委ね給いしイエズスの捨身との一致のうち、そして主の御愛と御意向との一致のうち、
主の御心と御言葉によりて述べ奉らん。
わが意思ならず、御旨の行われんことを。
ああいと聖なる御父よ、現世と来世において。アーメン。

そして殊に、ああ善きイエズス、我に来たると予見する苦しみを負う意思の完全なる準備のうちに、御身に己を捧げ、委ね奉らん。
御身の御手よりの如く、揺るがざる意思によりてそれを受け取り、あたう限りの忍耐と共にそれを負い奉らん。
御身の一切の苦しみを御父の御手より受け給いし御愛と、そして言語に表せざる感謝のうちに再び彼にそれらを捧げ給いしとの一致のうちに。

我に剛毅と堅忍とを与え給い、御身の永久のほまれと全地の福利と平安のため、我が雄々しく耐えるを得んことを御身にこいねがい奉る。
アーメン。」

 

inserted by FC2 system